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をわりのはぢまり~ある少年の日常~21

 「よし、行くぞ!」
 映像部のカメラマンに突かれて、僕は棚の陰から飛び出した。ここは体育館の2階のような場所で梯子を登らないと来られない構造になっている。そして僕とカメラマンの2名が登った後、梯子は外されたのだ。先生でも僕らを止めることはできない。佐々木の作戦は完璧だった。
 全裸に赤マントだけの僕が、体育館2階のキャットウォークのような場所に駆け出すと、再び歓声が聞こえた。拳を振り上げる男子。指をさしている女子もいる。
 「やめろーーー!」
 体育教官が両手をいっぱいに広げて叫んでいるように聞こえる。2階に登ろうとしている先生もいる。しかしその方法はないのだ。
 体育館を半周程走り抜け、事前に佐々木に決められていた位置に到着した。ちょうどスクリーンの右横あたりだ。やや遅れて映像部のカメラマンもやってきた。もちろん、リアルタイムで僕を巨大スクリーンに映すためだ。
 「3年生のみなさん、おめでとうございます!記念にオナニーします!」
 この距離では恐らく僕の声は届いていないだろう。しかし、僕が右手でチンコをしごき始め、それがスクリーンに映されると、僕の行為はすぐに理解された。
 先生達が何とかしようと走り回っている。チェック担当の女の先生は茫然と立ち尽くしていた。僕はできるだけ早く、射精するよう佐々木に命じられていた。
 2年生の全クラスで僕はオナニーショーをして回ったが、1年生の女子などは、もしかしたら初めて男のチンコを見るのかもしれない。ましてやオナニーなど見たことはないだろう。そう思うとむくむくと勃起してきた。
 僕のチンコがドアップで映し出される。
 「キモイーーーーーー!」
 嫌でも悲鳴が耳に入る。左手で乳首をいじると何かスイッチが入ったようになって、勃起はその固さを増した。僕は何百人もの人の前でオナニーをしている。本来は自宅でこっそり行うはずの行為を、白昼堂々皆に見せつけているのだ。
 頭の中で走馬灯のように様々なシーンが蘇る。初めての女子の前でチンコを出した時。ケツの穴を割り広げた時。佐々木達の前で泣きながら射精した時。川で全裸になりピース写真を撮られた時。全裸で勃起しながら公園に飛び出し、告白した時。クラス中の男女の前でカゼひきぞうさんを披露した時。各クラスの珍芸ショーで射精した時。商店街を全裸で走り抜けた時。フォロワーが伸びないので顔出しオナニーをアップさせられた時。
 そして今、全ては終わろうとしている。いや始まろうとしているのかもしれない。をわりのはぢまりだ。

 ぐつぐつと尾てい骨の辺りに快感が煮えたぎっている。もう出そうだ。興奮するたくさんの生徒達、右往左往する先生達。心の中で呟いた。
 「みなさーーん、変態がいくところ見てくださーーーい!」
 そして、声に出して叫んだ。
 「ボッキマン、発射!3、2、1、ゼローーー!」
 尾てい骨から何百万匹もの虫が背骨を光速で螺旋状に這い上がってくるような、今まで経験したことのない感覚だった。びゅるるるるーー、びゅるるるるーーーと音が聞こえてくるように精子が飛び出した。
 「ぎゃーーーー!」
 「うぉーーーー!」

 皆の声が固まりのように飛び掛かってくる。
 大スクリーンに克明に映し出された射精はしばらく止まらなかった。
 「ありがとうございましたーーー!」
 振り返り、ぱっくりと肛門を広げた。大スクリーンに、ケツ穴の皺一本一本まで映し出されているのが横目に見えた。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~20

 卒業生を送る会、当日。1年から3年まで全校生徒が体育館に集められた。先生方も全員勢揃いだ。出し物については、実行委員を中心に作成され、担当の先生がチェックして、披露するのが恒例だった。今年は短時間のムービーを流した後、曲に合わせてダンスをするという出し物だと噂されていた。しかし僕は知っていた。それが全てフェイクであるということを。
 その証拠に僕は体育館の上の階で棚の陰に隠れて全裸でしゃがんで待機しているのだ。正確には全裸に赤マントと靴下、上履きを着用した姿でいた。先生には仮の映像を見せておいて、当日はサプライズと称して別な映像を流すという計画だった。ムービーが終わった後、僕はこの格好で全校生徒の前に飛び出してゆくのだ。
 映像が始まった。僕も映像は見たことはない。佐々木達が映像部と相談して作ったものだ。隠れている僕からはやや斜めにステージ上の大スクリーンが見える。心臓の鼓動が止まらない。

 「お父さん、お母さん、こんなに大きくなりました。ほら、わき毛も生えたし、チン毛も生えたよ!・・・」
 あの声はゆうただろうか。ナレーションとともに、むき出しのわきが映る。そこには最近やっと生えそろった黒々としたわき毛も映っている。あれは、僕のものだ。川で撮られた時の動画だ。そして、ややパンツをずらしたへそ下からのぞく陰毛がアップで映された。
  「きゃーーー!」
 「おいおい!」

 体育館がざわめきに包まれたように聞こえた。あの映像も僕のものだ。教室でのストリップの時のものだ。次第にBGMが大きくなってゆく。みんなの声がかき消されてゆく。
  「ほら、ちんちんもこんなに大きくなったよ!」
 スライドショーのように様々な場面での僕のチンコのドアップが次々に映し出された。
 先生達も騒ぎ始めた。チェック担当の女の先生は頭を抱えている。体育の先生が何か手を振って叫んでいるが、それをかき消すかのように大音量のバンドの曲が流れている。
 生徒達はこの急なサプライズにみな盛り上がっているように見えた。熱に浮かされたような興奮が伝わってくる。
  「ケツ毛も生えましたーーー!」
 僕の肛門腹話術が動画で流された。どよめきが一つの生き物のようになって襲ってくる。
  「毎日、オナニーもしてまーーーす!」
というふざけたようなナレーションとともに、ボッキマンの光速オナニーの動画が流れ始めた。僕の顔にはうっすらモザイクがかかっている。しかしチンコには何の修正もしていない。全校生徒が今、巨大スクルーンで僕のオナニーを見ているのだ。
  「ボッキマン、発射!3、2、1、・・・」
 いよいよ、発射するというところで映像は終わった。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~19

 自宅の部屋で虚空を見つめていた。最後の射精は佐々木の台本にはないアドリブだった。僕は自らオナニーしたのだ。涙がこぼれてきた。僕は自ら皆の前で自慰行為を披露する変態に堕ちたのだ。
 「次は別のクラスでもやろうぜ。」
 佐々木からのメッセージに、僕が拒否する理由はもはや何もなかった。
好評を博したこの「珍芸ショー」は、学年全てクラスで披露することになり、その度に僕には1週間の禁欲が課せられた。困ったのは、次第に僕はショーの開始前から期待で勃起するようになってしまい、梅干しなどのチンポ芸がやりづらくなってしまったことだ。チクビームの時点で我慢汁がたらりとこぼれ、変態呼わばりされることもあった。
少し前まで、僕はオナニーする時に女の体を思い浮かべてやっていた。極めてノーマルなオナニーだった。今では、珍芸ショーを頭の中で反芻しながらチンコをしごいている。
 「はくしょーーん!はくしょーーーん!」
クラスメート達に嘲笑されながらの射精でしか、感じなくなってしまっていた。

 冬休み明け、隣の教室で男子達が話していた。
 「あいつ塾でもチンコ出して、クビになったらしいぞ。」
 「壊れちゃったね。」
 「ネットにも自分で顔出しオナニー動画載せたらしいよ。」
 「そら3000人超えるわな。」
 「あと、あいつかどうかわかんないけど、商店街を全裸で走った奴がいたらしいぞ。」
 「あいつしかしないだろ!」
 「今度でかいのやらかすらしいよね、佐々木が言ってた。」
 「ちゃんゆーも絡んでるらしいじゃん。」
 「あいつもう終わったな。」

 「卒業生を送る会」は各クラスから数人の実行委員を選出して、構成される。毎年様々な出し物が行われていたが、今年の実行委員に佐々木やミユ、ゆうたの名前が入っているのに気付いた時、とてつもなく嫌な予感がした。心臓の鼓動が高鳴り、チンコの先がぎゅっと縮まっていくような奇妙な感覚に襲われた。そして、僕の予感は間違いのないものだった。
 ある日の企画会議で、佐々木が高らかに計画を発表した時、僕は卒倒しそうになった。確かに僕は変態に堕ちてしまった。
 「景気づけにランニングだな!」
 佐々木がそっと背中を押すだけで、新春の街中を全裸で走り回るようなこともしてしまった。家でのオナニーでは物足らずに、学校で声をかけては級友に射精を見せるのも日課となっていた。しかし今回の計画は、さすがの僕でも躊躇するものだった。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~18

 「では、腹話術の始まり始まりー!」
チンポ芸の時間の次は腹話術だ。僕は背中を見せる形で後ろ向きになった。
 「ははは!」
 「やばい!」

笑い声が起こる。何故なら僕のケツには顔が描かれていたからだ。正確には目と鼻が描かれている。口は肛門だ。
 「みんなーー!たのしんでるかーーーい?」
尻たぶを両手で抱え、肛門を見え隠れさせながら、僕はケツ穴で腹話術を始めた。
 「たくさん撮ってねー!ネットにもアップしてねーー!」
 佐々木が作った文章を暗記して、読み上げる。何故、このような形で人前で肛門を晒さなくてはいけないのだろう。恥ずかしくてどうしようもない。涙が出そうになった時、ずしんとチンコに芯が入ったのを感じた。
 最後は佐々木の脚本通り、無理やり放屁して腹話術は終わった。

 正面を向きなおした時、今にも泣き出しそうな顔とは裏腹に膨らみかけたチンコを、佐々木は見逃さなかった。
 「さすが変態中学生、半勃ちなりました!」
 「フルボッキまでもう少し!」
 「チクビーム攻撃開始!」

 「チクビーーーム!」
 「ビーーーーーッ!」

 僕は乳首を摘み上げ、乳首に刺激を与えた。
 夏休み明け最初の企画会議で、佐々木はネット情報で見たらしく
  「男も乳首で感じるらしいから、おまえも乳首いじれ!」
と言ってきた。いじってみたが、くすぐったいような痛いような、何も気持ちよさを感じることはなかった。そのことを佐々木に伝えると、毎日30分以上、チンコと乳首を同時にいじるよう課題を出されたのだった。
 「チクビーーーム!」
 再度、声を上げた。信じられないことだが、半勃起だったチンコがぐんぐん大きくなってくる。僕の頭の中で乳首への刺激は性的快感に紐付けられ、否応なくチンコが反応してしまう。僕の身体の一部でありながら、まるで別の生き物のように頭をもたげてくる。恐竜のように高々と頭を上げ、辺りを見渡すかのように。
 「ついにフルボッキしました!」
 「それでは最後の芸です、カゼひきぞうさん!」

 カゼひきぞうさんは佐々木の考えた芸だ。この僕を地獄の底まで貶めるために考え出した、最悪の芸だ。
 「裸は寒いねー。カゼひいちゃったよ。」
 「そうだ!こすってカラダを温めよう!」

 僕はチンコをしごき始めた。
 「いやーーーー!」
 「きたーーーー!」

男女の悲鳴が聞こえる。チンコの横に象の顔を描いておいたのもこのためだ。
 「温まってきたよーーー!」
出そうになったらこの台詞を言えと言われていた。
 「すぐには出すなよ、3回はガマンな。早いと嫌われちゃうからな。」
佐々木の言葉を思い出す。遠くにビデオカメラが見える。これも鮮明に記録されてしまうのか。
 「鼻水が垂れちゃうよーーー。」
我慢汁がたらりと床に落ちた。
 「何あれ、何あれ?」
女子の素直な言葉が胸に痛い。恐らく初めてみる行為なのだろう。男子のオナニー。そして終わりは近い。
 「温まってきたよーーー!」
 皆が興奮しているのがわかる。誰もが目を見開いている。40あまりもの瞳は全て僕に向けられている、このぞうさんの鼻先に。
 「温まってきたよーーー!」
 「くしゃみが出ちゃうよーーー!」

 「はくしょーーん!はくしょーーーん!」
同時に、射精した。ぞうさんは鼻の穴を広げ、白く濁った鼻水を豪快に飛ばした。1週間の禁欲は想像以上の精をこしらえ、初めて目にするであろう男子の射精にこの日一番の歓声が沸き起こった。
 「ありがとうございましたーーー!」
 自分の足の間から、逆さまになった皆の顔が見えた。興奮、困惑、狂喜、羞恥。それぞれの表情から思いが見て取れる。満足。佐々木の顔にはそう書いてあるようだった。
何故か、勃起が収まりそうにない。
 「ありがとうございましたーーー!」
 僕はもう一度正面を向き直し、チンコをしごき始めた。左手で乳首をいじるとすぐに射精した。最後の一滴まで鼻水を絞り出したのだった。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~17

 金曜日の放課後が運命の日だった。この日はPTAとの懇親会があり、先生がすぐにいなくなる、という理由でこの日になったらしい。ショーの準備は着々と進んでいた。
 僕は一見するとじゃれているような雰囲気で、しかし逆らうことのできない強い力で両腕を掴まれたまま、放課後の教室に来た。4組の教室に入るのは初めてかもしれない。自分のクラスとはまた少し違った雰囲気を感じる。男女含めて20人以上はそこにいるように見えた。
 「うちのクラスの女子、エロいのが多いからさ。結構見に行くと思うぞ。」
 昨日ゆうたから届いたメッセージを思い出した。

 「では、ショータイムの始まりーーー!」
司会の佐々木が高らかに宣言した。拍手まで起きている。ゆうたも念願のショーが見られるとあって、最前列にいた。多数の女子も興奮したような顔でくすくす笑っている。
 「始めにストリップショーです!どうぞ!」
 僕は教壇の上にいた。スマホで流行りのダンサブルな曲が流される。僕は身体を揺らしながら、一枚ずつ服を脱いでゆく。やがて上半身が露わになる。ズボンを脱ぎ、丁寧に靴下まで脱ぎ捨てた。あとはパンツだけだ。
 「では、最後の一枚はちゃんゆーに下してもらいましょう!」
 ゆうたが壇上に上がる。そしてパンツ一枚で佇む僕の背後に位置した。
 「いくぞいくぞー!」
 ゆうたが叫んだ。直後、耳元で僕にだけ聞こえるような声で、
 「良かったな、みんなに見てもらえて。」
と言ったような気がした。
 その瞬間、一気に膝下までパンツがずり下された。
 「きゃーーーー!」
 「うぉーーーーー!」

 大歓声が起こった。皆の視線が僕の下半身に集中する。視線の先にあるのは僕のチンコだが、ただのチンコではない。チンコを鼻に見立てて、黒マジックで象の顔が描かれているのだ。僕のチンコなど、佐々木達にとってはただの動く玩具でしかない。
 「皆さん、写真撮影はご自由にどうぞ!」
佐々木がおどける。カシャ、カシャ、とスマホの機械音が鳴り響く。ピッという電子音も聞こえる。恐らく動画だろう。遠くに三脚に固定したビデオカメラも見える。確かあれは映像部の生徒だっただろうか、にけやながらモニターを見てカメラを動かしている。
 「続きまして、チンポ芸いきます!」
 「始めにモモンガ。」

僕はがに股になって玉袋を引っ張り上げ、亀頭だけが顔をのぞかせる状態にした。
 「えーーー?」
 「あんなに伸びるの?」

 女子のコメントが嫌でも耳に届く。佐々木からの宿題でチンポ芸をいくつかマスターしろと言われ、困った僕はネットで「チンポ芸」を検索した。家の姿見の前で何度も玉袋を引っ張り上げ、練習したのだった。
 「次に、梅干し!」
 僕はチンコの皮を思い切り前に寄せ集め、皺だらけの梅干しを完成させた。
 「わははは。」
 「超包茎!」

 男子のコメントは辛辣だ。
 「次は、スカイツリー!」
 今度はチンコの皮を上に思い切り引き上げ、玉袋は下に引き下げた。惨めなタワーの完成だ。自宅で練習しながら、こんなことを毎日やっていたら皮が伸びきってしまうのでないか、とたまらなく不安になった。そんな僕の気持ちはつゆ知らず、男子も女子も大笑いしていた。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~16

 不思議な気持ちだった。最高に恥ずかしく、悔しかったはずなのに、思い出すと勃起してしまう。自分の部屋で昼間の光景を思い出す度に興奮している自分に気付く。何度も何度も股間に手を伸ばす。鉄のように固く、火のように熱くなっていた。
 枕元で、スマホが振動するのが聞こえた。
 「今日のショーは最高だった!パーフェクト!」
佐々木からだった。
 「次はちゃんゆーのクラスで出張公演だな。」
ちゃんゆーというのはゆうたのことだろうか。ゆうたのクラスでもやれということらしい。
 「一週間、オナニー禁止な。」
 次いで、リンクが貼りつけられて送られてきた。押してみると、昼間の光景がネットにアップされていた。
 「ボッキマン、発射!3、2、1、ゼローーー!」
と叫びながら、大量の精子をチンポからぶちまけている。ムービーのため、顔もうまく隠しきれておらず、時折自分の顔が垣間見える。フォロワーはすでに2000人を超えていた。
 これを2000人もの人が見ている。昼間の教室でクラスメートに嗤われながら、全裸になって射精している惨めな姿を見られている。そう思った瞬間、チンコの先からどくっどくっと精子が溢れ出してきた。パンツの中に精子が染み出してゆく。手も使わずに射精することなど初めての経験だった。僕は自分の心も身体もコントロールできないものになってしまったことを感じた。本当に変態になってしまったのかもしれない。昼間出したはずなのに、精子はとめどくなく溢れ、結果的に図らずも佐々木からの禁を破ってしまったのだった。

 企画会議での佐々木は、妙にゆうたのクラスでの出張公演に気合いが入っており、とめどなくしゃべり続けていた。そのどれもが僕にとっては地獄のような内容だった。
 「完璧なショーにしたい。」
 1週間では練習時間が足らないので、佐々木は出張公演を2週間後に先送りにし、完成度を高めたいと言っていた。もちろん演じるのは僕なのだが。
 「オナ禁は続けとけよ!1回リハーサルで出させてやるから。」
 「ちゃんゆーにうちのクラスのすごさを見せたいんだよ。」

とも言っていた。僕は佐々木が何をやりたいのか、よくわからなかった。一つだけはっきりしているのは、僕は想像を絶する恥をかかされ二度と這い上がれないだろうということだった。
 佐々木からの指示を頭に入れ、僕は自宅でも練習せざるを得なかった。鏡の前で全裸になって踊る自分の姿。この身体の全て、わき毛や乳首、ちん毛や金玉、完全に剥きあげたチンコ、はたまた肛門までを遠くのクラスの見物人に見せるため、くつろぎの場である自室で裸になって踊っているのだ。僕はとんでもなく惨めな気持ちになった。それと同時に胸の奥がかっと熱くなり、その熱に呼応するかのようにチンコが隆々と勃起してくるのを感じた。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~15

 妙に晴れやかな気持ちだった。でも気持ちは少し昂ぶっている。朝から心臓の鼓動が落ち着くことはなかった。
 「明日実行だな。」
 佐々木の言葉を思い出す。ついにこの日が来てしまったのだ。
 夏休みになれば逃げられると思っていた。しかし僕の考えが甘かったことは、その後すぐに露呈した。むしろ学校というたがが外れて、よりいじりの強度が増したような気さえする。公共のプールでのいたずら、川遊びの件、そして思い出したくもない夏期講習での事件・・・。佐々木達に呼び出される度に訓練と称して気が狂いそうなことを強要された。僕の身体はもう僕のものではなく、佐々木達の所有物であり、佐々木の言葉一つですぐに衣服を脱ぎ捨て、白昼に全裸を晒すことが当たり前となってしまった。しかもそれは逐一ネット上にアップされ、今では1000フォロワーを超えたと佐々木が吹聴していた。

 教室に入る。ニヤニヤする佐々木グループが目に入った。
 「わかってるだろうな。」
 佐々木が目配せした。僕はこくりと頷いた。
 普段は見慣れない先生が黒板に「自習」の二文字を書いて消えていった。その文字はまるで死刑宣告のように僕の目に写った。僕はおもむろに教壇に向かった。教壇に立つ。クラス全員の顔が見えた。もちろん女子もいる。にやけているのは佐々木グループで、男子は「またか・・・」というような顔をしていた。女子は殆どがきょとんとした表情だったが、ミユとその周辺は不敵な笑みを浮かべていた。
 僕は大きく息を吸い、吐き出した。やるしかない。
 「今から一発芸をやります!皆さん、見てください!!」
 僕はベルトを弛め、ズボンを脱いだ。女子の「きゃ!」という声が聞こえた。上着を脱ぎ、シャツも脱ぎ、上半身裸になった。目の前がクラクラする。徐々に教室がざわめき出した。そして、最後にパンツを脱ぎ、事前に仕込まれていた通り、遠くに投げ捨てた。
  「きゃーーーーー!!」
 女子の歓声が響く。この声を聞くのは半ムケ星人のデビュー以来だった。今回は全ムケ星人の登場だ。
  「全ムケ星人!ボッキマン!」
  「必殺、光速オナニー!」

 僕は白昼の教室で、クラス全員が見てみる前でオナニーを始めた。今の僕はすでにこの状況でも勃起するような身体になってしまっていた。赤ら顔の女子、笑顔の男子。みんな僕を見て笑って欲しい。
  「フルボッキしたら、教室一周だな。」
 佐々木の言葉が頭に蘇ってきた。完全に勃起したところで教壇を降り、大きくなったチンポを振り乱しながら、皆の間を駆け足で回った。教室はもはや半狂乱の状態となっていた。一瞬、満足そうな佐々木の顔が見えた。ミユがスマホ片手にほくそ笑んでいるのも見えた。
 僕はもう堪えることができなかった。すべてのものが崩壊してしまう予感。溢れ出る快楽に全てを委ねてしまおう。
 「ボッキマン、発射!3、2、1、ゼローーー!」
 この日一番の歓声が教室に響き、腹を抱えて笑う佐々木グループが遠くに見えた。
  「1週間、抜くなよ。」
 佐々木にオナニーを禁止されていたせいか、ものすごい量の精子が止まることなく放物線を描き、教室の床に着地した。まるでビュッビュッと音が聞こえてくるような射精だった。頭の中が真っ白になったが、一つ忘れる訳にはいかないセリフがあった。
  「ありがとうございましたーーー!」
 射精はおろか、肛門まで僕はクラス全員に晒した。「キモ!」という声とスマホのシャッター音が交錯した。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~14

 夏休みが終わり、隣のクラスの会話が聞こえてくる。
 「びっくりしたよ、川でマッパなんだもん。」
 「ふつうにファミリーとかいたしね。」
 「プールでも騒いでたらしいぞ。」
 「公園のはひいたよね。」
 「勃起させてるって・・・。」
 「もうただの変態だよな。」
 「最近もう顔がおかしいよな。」
 「何かトロンとした目してるな、あいつ。」


 「おまえのアカウント作ったぞ!」
 夏休み明け初めての企画会議で、佐々木は意気揚々とスマホの画面を僕に見せつけた。それは恐ろしいものだった。アカウント名は「変態中学生」となっており、夏休み中に何度かメッセージを投稿している形跡があった。「芸人を目指しています。応援してください!(^^)!」などというメッセージと共に、川で全裸になって両腕でガッツポーズを取っている写真が見えた。川遊びの時に無理やりやらされたものだ。また、佐々木の好きな「ありがとうございましたーーー!」と肛門を割り広げる写真もあった。こんなものをネットに載せてしまっているのか。
 「さすがにまずいよ。」
 と佐々木に言ってみたのだが、
 「大丈夫!一応顔は隠してあるっしょ?」
 「チンコは隠してないけど、ははは。」

 と一蹴された。
 「これなんかもいいだろ?」
佐々木が次に見せた画面には「愛してるよーーー(*^_^*)」というメッセージとともに、公園で全裸になって踊っているムービーが映っていた。女子の悲鳴と佐々木達の笑い声が交錯するなか、全裸で勃起させたチンコを揺らしながら踊る少年。紛れもない、僕の姿だった。
 「これ載せたら、一気にフォロワーが増えたよ。ホモばっかりだけど。ははは。」
 一体、僕はどこまで行ってしまうのだろう。佐々木にケツを蹴られ、我慢汁がとろーっと溢れ出したチンコのドアップで画面は静止画となった。

 「ムービー受けた!うちのクラスでもやってー!」
 たまにメッセージを送ってくる他のクラスのゆうたからメッセージがあった。あまりにもたくさんムービーを撮られているので、どの動画なのかわからないが、恥ずかしい動画であることには変わりないだろう。僕は何と返事してよいかわからず、しばらく何も書けなかった。
 「佐々木に聞いたけど、今度の自習でやるんだって!?またムービーよろしく!」
 「ほんとはナマで見たい!」

 そう、先生が研修のため自習になる日が発表された時、僕の運命は決まったのだ。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~13

 夏期講習の最終日。本当なら解放感でいっぱいのはずが、僕は囚人のような気分でいた。最後の講義が終わり、僕は近くの公園へと連行された。佐々木は
 「大事な話しがある」
とスマホを使って彼女を呼び出していた。
 僕は公園のトイレで服を全部脱ぐよう言われ、服を全部没収された。告白するまで返さない、そう告げられた。ただの告白ではない、勃起させての告白だ。トイレの個室の中で勃起させようと必死にチンコをいじったが、なかなか勃たない。
 「早く勃たせろよ!」
ケツに蹴りを入れられ、僕は目を閉じていつもしているように、彼女のことを思い浮かべた。少しずつ芯が入ってきた。本当に僕は全てを見せてしまうのだろうか。そんなことできる訳がない。でも、もう逃げる方法はない。
 意に反して、少しずつ反応してきた。「ついに彼女にこれを見られてしまう!」危機感にも近いような思いが胸に去来した刹那、堰き止めていた何かが崩壊したように、一気に凛凛と勃起した。
 「よし!行くぞ!」
佐々木グループに両手を掴まれて、僕はトイレから外に引っ張られた。
 「キャー!!」
 いつも通りのかわいい彼女が目の前にいる。ここはどこにでもある普通の公園で、周りにはベビーカーをおす母親や、老人が散歩している様子が見えた。僕は全裸になり、しかもチンコを勃起させたままでこの空間に立ち尽くしている。明らかに異常者と思われているだろう。

 僕は全裸と勃起させたチンコを見せつけるように、
 「ずっと好きでした!僕と付き合ってください!」
と叫んだ。「半勃ちになったらやり直し」というルールが課されたため、僕は勃起状態を維持させるため、チンコをいじりながら、告白した。人生で最悪の告白だった。
 「イヤー!!」
 彼女が両手で顔を隠した。真っ赤な顔をしている。
 「求愛のダンスを踊ります!」
事前に佐々木から指示されていた通り、僕は腰を左右に揺らせて独自の踊りを始めた。勃起したチンコが右に左にぐらんぐらんと揺れて、まるで風に晒される樹木のようだった。
 「ムリー!!」
 彼女が逃げ出した。佐々木グループが笑いながら、スマホで僕を撮っている。ついに僕はとんでもないことをしてしまった。遠くから老人が怪訝な様子でこちらを見ている。突然、佐々木が
 「おつかれちゃん!」
と言って僕のケツを蹴りあげた。
 その瞬間、チンコの先から透明な液体がたらーっと溢れ出し、さらなる笑いを誘うのだった。放り投げられた服を着ながら、僕の足には見えない足枷が着けられているように感じた。恐らく、二度とはずせない。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~12

 郊外の大きな川に自転車で向かった。周囲には、楽しそうにはしゃぐ少年の集団にしか見えないだろう。しかし僕の気持ちは暗澹たるものだった。佐々木だけが妙に高いテンションでまくし立てている。これから僕に何かをやらせたくて、相当興奮しているのだろう。

  「おまえ、マッパな!」
 佐々木の一言は衝撃的だった。遠くにはバーベキューをしている団体や、家族連れも見える。全裸でいればすぐにばれてしまう状態だ。
  「それはムリだよ・・・。」
僕は呟いたが、聞き入れられるはずもなく、
  「じゃあ、手伝ってやるよ。」
という佐々木の言葉で、後ろから羽交い絞めにされ、強引にズボンとパンツを引きずりおろされ、上半身も裸にされて、僕は全裸で放り出された。
 青い空が眩しい。佐々木達は皆水着を着ているのに、僕一人が全裸だった。遠くの人達にはただの悪ふざけとしか見えていないのだろう、笑ってスマホを向けているのが見える。
 「チンコを隠したら罰ゲーム」というルールが勝手に設けられ、僕は恐らく見知らぬ人に何枚も写真を撮られてしまっているのだろう。もちろん、佐々木達にも浴びせられる程に写真や動画を撮られまくった。
 遠くから女子の集団が近づいてくるのが見えた。やばいと感じて思わず右手を股間に持っていった時、佐々木の
  「ハイ、罰ゲーム決定ー!」
の声が聞こえた。その後、罰ゲームの内容が佐々木から発表されたのだが、僕にとっては悪夢でしかなかった。
 それは夏期講習の最終日に、好きだった女子に告白しろという命令だった。しかもただの告白ではない。全裸で勃起させた状態で告白しろという無茶な要求だった。佐々木は僕が送った塾のスケジュールで、僕の通っている塾を知り、そこにあの女子がいることを突き止めたのだった。今では違う学校だが、塾で顔を合わせるのに、そんな格好を見せられる訳がない。途方にくれる僕に、佐々木は淡々と計画を発表していた。

 僕は思い出していた。小学校の時、放課後の教室。誰もいない。目の前には彼女の机がある。机の横に彼女のリコーダーがかけてあるのが見えた。再度辺りを見回したが、誰もいない。人の来る気配もない。僕はすばやくケースからリコーダーを出し、自分の口に運んだ。これが、彼女がいつも口をつけているリコーダーで、僕も同じ部分に口をつけている、彼女の味や匂いが全部ここに凝縮されている。僕は彼女と一つになった、そう感じた瞬間、
  「おまえ、何やってんの?」
という佐々木の声で我に返り、ぎょっとしたのだ。佐々木は忘れ物を取りに教室に入ったところ、笛を咥えている僕の姿を目にした。
  「おねがい!誰にも言わないで!」
僕は土下座をして佐々木に頼み込んだ。そして、佐々木はそれに応じてくれた。しかしそれは時限爆弾のように爆発を未来へ先送りしただけで、むしろ加速度的に被害が増しているのではないか。そう思わざるを得なかった。

プロフィール

天使マン【羞恥小説】

Author:天使マン【羞恥小説】
忘年会やパーティでの裸踊り・チンポ芸など大好きな「天使マン」です。いじめられる男、羞恥系M男小説をたまに書いてます。
mail:tensiman19@gmail.com
X:@tensiman1919 

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