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いぢめの記憶 -03-

 しゅうじのことを考えると胸が苦しくなる。絶対に好き好んであんなことをやっている訳ではないはずだ。恐らく、あいつらにやらされてるに違いない。悔しい。でも、何かことを起こすのは怖い。近寄りがたいあの連中のことを考えると気持ちが後退りしてしまう。
 ふと外を見ると、野球部がグランドを走っている。あんな風に何も余計なことを考えず、一つのことに打ち込めたらいいのにと思う。蟻地獄に引き込まれるような、不気味な胎動が足元から這い上がってくるのを感じた。

 しゅうじへの異変が誰の目にも明らかになったのは体育祭の時だった。体育祭のとりを飾る男子の組体操。この時に事件は起こった。僕の学年はクラスごとに組体操を披露し、最後に男子全体で披露するのだ。
 僕は台座の担当で一人の男子の土台になる役割を終え、しゃがんで他のクラスを見ていた。僕の右前方にしゅうじが見えた。しゅうじは組体操の上になる役で、二人の台座の生徒の上に乗り、両手を広げていた。大の字のような形だ。
 すると予期せぬことが起こった。少しずつ、するりするりとしゅうじの短パンがずり落ちていくのだ。
 「えーー!やばいやばい!」
 女子が色めきたった。男子も思わず笑い出す。短パンは止まることなくさらにずり落ちていく。
 「きゃーーーーーーーー!」
 女子の悲鳴が響き渡った。しゅうじのチンコが露わになったのだ。
 どよめきがグラウンドを支配した。しゅうじは赤い顔をしたまま、変わらず大の字のポーズのままであそこを隠せないでいた。僕も目を離せないでいた。膝までずり落ちた青い短パン。もしズボンのゴムが緩んでずり落ちてしまったとしても、なぜパンツを履いていないのだろう。しかもしゅうじのあそこは前に見た時と変わっていた。前に廊下で見た時にはぷりんとして皮を被っていたはずだが、すっかり皮が剥けていて桃色の亀頭が露わになっていた。
 しゅうじは普段は隠れているだろう亀頭部分までも全校生徒に晒したまま、動けないでいた。見たこともないくらい真っ赤な顔をしてぷるぷる震えていた。
 「きもいーーー!」
 おそらく男子のチンコを見たことのない女子だろう。両手で顔を隠している女子もいた。男子も男子で大声を上げて笑ったり手を叩いたりして盛り上がっていた。
 異変に気が付いて、体育の先生が駆け寄ってきた時にはもう少し時間が経ってしまっていて、短パンをずり上げた時にはもうあそこを隠すということについては何の意味もないことになっていた。ゴムが完全に切れてしまったのか、短パンはまたすぐにずり落ちてしまうので、台座から降ろされたしゅうじは両手で短パンを押さえていた。先生に脇を抱えられながら退場していくしゅうじ。僕はその後ろ姿を見つめていた。一体何が起こってしまったのだろうか。これは偶然だろうか。全校生徒の前で赤っ恥を晒したしゅうじは、何か惨めな罪人のように見えた。

 その日の夜、気になっててっちゃんにメールした。しゅうじ本人のメアドも知ってるが、「大丈夫?」と聞くのも野暮なように思えた。あんな大勢の前で恥をかいて傷ついているだろうからほっとしておいた方が良いのかもしれない。つまりてっちゃんに聞くのがちょうどいいのだ。
 メールを書き、しばらくするとてっちゃんから返信が届いた。誰に聞いたのか、てっちゃんは昼間の事件について詳細を知っていた。短パンのゴムにざっくり切れ目を入れて、透明な釣り糸と括り付けてあったこと。台座役の生徒がばれないように少しずつ釣り糸を引っ張っていたこと。そのしかけパンツはしゅうじ本人が作らされたこと。当日はブリーフの着用は禁止されていたこと。またチンコの根本にゴムを結び、強制的に皮を剥かされていたこと。また人知れず事前に何度もリハーサルを行い、全校生徒の前で必ずチンコを出すよう練習させられていたこと。
 ケータイを持つ手が震えた。入念に、そして計画的にしゅうじが恥をかくよう仕組まれ、実行されたのだ。メールの最後には写真が添付されていた。両手を開き、何も隠すことができず晒し者になっているその姿は、人類の罪を背負って貼り付けられた神の子のようにも見えた。このような画像がもう学校中に出回っているのだろうか。しゅうじが背負っているものは何なのだろう。想像もつかない。
 しかし、後日すぐに僕はその答えを知ることになるのだった。

いぢめの記憶 -02-

 何事もなかったように午後の授業が始まった。僕はまだ信じられないでいた。あのしゅうじが白昼の廊下であんなことをするなんて。一体何が起こったのだろう。あのグループと何があったのだろう。
 あのグループは別な小学校からの合流組で、最初からあまり評判が良くなかった。小学校ではいじめられっ子を不登校にさせたり、他にもえげつないことをさせてたとかてっちゃんが教えてくれた。そもそも評判を聞く前に、あの独特の近寄りがたい雰囲気で何となくはわかっていた。誰もが極力近づかないようにしよう、と思われていた連中だった。
 しゅうじは大丈夫だろうか。女にもてはしたがもともとシャイな奴で、女と話す時はいつも顔を赤くして目を逸らしているような奴だった。そんな奴が女子もいる廊下で全裸になった挙句、自らチンコの皮まで剥くなんて・・・。
 数学の先生の説明は全く頭に入って来なかった。しゅうじの置かれた状況を想像するだけで、胸がどきどきしてくる。そしてしゅうじのぷりんとしたあそこと生えかけの陰毛をなぜか思い出していた。

 それからしばらくは何も起こらなかった。もしかしてあれはただの偶発的な事故で、何かの間違いだったのかもしれないと思い始めていた。ただ、一度昼休みにしゅうじのクラスの横を通った時に不思議なのものが見えたことがあった。教室の後方でカーテンが風になびいていて、その向こうのベランダに肌色のものが一瞬見えた。人間のお尻のようにも見えたがほんの一瞬だからよくわからなかった。まさか裸の人間がいるとは思えなかったし、そんなことはないと信じたかったのかもしれない。僕はその日の放課後、帰り際にてっちゃんを捕まえてさりげなく聞いてみた。
 
 「おまえが思ってる以上にあいつやばい状況だぞ。」
 誰も使っていない空き教室。珍しく神妙な顔をしたてっちゃんが僕にケータイの画面を見せた。
 「ほら、これ・・・。」
 そこには信じられないものが映っていた。画面いっぱいに裸の尻が見える。中腰になって肛門を見せつけるように片手で尻たぶを思い切り手繰り寄せている。もう片方の手でピースサインを作り、顔が映るようにこちらを振り向いている。その表情は泣きそうにも見え、見方によっては喜んでいるようにも見えた。
 僕は言葉を失った。
 「あいつ、毎日昼休みに裸にさせられてるらしいぜ。」
 てっちゃんが別な写真を表示させる。
 ベランダと思われる場所。一切の衣服を身につけない完全な全裸の状態のしゅうじが映っている。両手でピースを作り、足はがに股だ。そして恐らく作らされているのだろうが満面の笑みを浮かべている。その中でも特に異様なのが、性器だった。写真で見てもわかるくらい痛い位に勃起し、上向きになっているのだ。まさか、興奮しているのだろうか。しゅうじはそんな変な奴じゃないはずだ。
 「しゅうじ・・・。」
 僕は戸惑っていた。僕の知っているしゅうじとケータイの画面の中のしゅうじ。それは全く一致しないばかりか、ケータイの中のしゅうじは否応なく変態の道を歩かされているように見えた。しかしその顔は僕の知っている、シャイで優しいしゅうじなのだ。
 「また何かわかったら教えてやるよ。」
てっちゃんが、ぽんっと僕の肩を叩いて教室から出て行った。誰もいない教室で、僕はしばらく動けないでいた。

いぢめの記憶 -01-

 「あいつ、最近やばいらしいぞ。」

  休み時間。いつもの気怠い時間に机に肘をついてぼーっとしていると、ふとてっちゃんが話しかけてきた。てっちゃんは同じクラスのおしゃべり好きで、聞いてもいないのにいつもいろんなことを教えてくれる。話題にこと欠かない奴だ。
「あいつ」というのはしゅうじのことだ。何となくてっちゃんと僕の間では「あいつ」で通ってしまう。しゅうじは幼稚園、小学校、中学校とずっと同じ学校で、いわゆる幼馴染だ。

 「何だかわかんないけど、あのグループに目ぇつけられたらしいぞ。」
 その時は、しゅうじの状況も特に気にかけなかった。2つ隣のクラスで最近はあまりちゃんとお会話もしてなかったし、ただのちょっとしたトラブルがあったのかもしれない、くらいの気持ちだった。しかし、3日後、僕の認識は大きく覆されることになる。

 「ほれ、ほれーーー!チンコ様のお通りだーーー!」
 昼休みの廊下。普段から騒がしい学校だが、いつも以上の騒ぎに目を向けると、とんでもないことが起こっていた。一人の男子生徒が全裸に剥かれ、二人の悪童に両手を抱えられたまま、廊下を引きずられているのだ。男に興味があるわけではないが、自然にあそこに目が行ってしまう。ずんぐりむっくりした形でしっかりと皮を被っていた。毛はそこそこ生えていて、少年から大人の男へ変化している途中という感じだろうか。

 「女子ちゅうもーーーく!これがチンコだぞーーー!」
 悪童がさらにギャラリーを増やそうと、大声で教室に声をかける。泣き顔でうめく生贄の男子生徒。

 「しゅうじ・・・。」
 それは紛れもなくしゅうじだった。僕は自分の目を疑った。一体、何が起こっているのだろう。しゅうじは小学校の時には同じサッカークラブに入っていた。スポーツマンで女子にも結構もてるタイプだった。よく女子に手紙をもらっていた。決していじめられキャラというタイプではなかった。そのしゅうじが今、思春期まっただ中の、一番恥ずかしくて見られたくない部分を全て晒しながら、全裸で廊下を引きずられている。

 「それでは一発芸お願いしまーーーす!」
 突然、悪童がしゅうじの両手を離した。とっさにあそこを隠すしゅうじ。しかし、前もって命令されていたのか、やがてそっとあそこから手を離した。再び、しゅうじのあそこが全員に晒された。恥ずかしさのあまり体まで真っ赤にしたしゅうじは次の瞬間、奇妙な歌を歌い始めた。

 「フルチンー、フルチンー、フルチンロケンローーール!!」
 しゅうじが手でマイクを握りふりをして、腰を左右に揺らしながら、聞いたことない歌を歌い始めた。腰を揺らすたびにあそこが左右にぷるんぷるんと揺れる。嘲笑う悪童と興奮する男子生徒、引き気味の女子生徒達。
 「最後にチン皮むきます!」
 しゅうじが自らの性器に手をかけ、ピンク色の亀頭を剥き出しにしたところで、フルチンコンサートは大盛況の中、幕を閉じた。

プロフィール

天使マン【羞恥小説】

Author:天使マン【羞恥小説】
忘年会やパーティでの裸踊り・チンポ芸など大好きな「天使マン」です。いじめられる男、羞恥系M男小説をたまに書いてます。
mail:tensiman19@gmail.com
X:@tensiman1919 

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