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サークル勧誘(短編)~後日談~

(後日談)

 「かんぱーーーーーーーい!」

 その夜の飲み会はいつになく先輩方が上機嫌だった。
 「いやいや、まさかオナニーし始めるとは思わなかった。」
 「追い詰められると本領を発揮するタイプだな。」
 「一度、勃起を振り回した時あんじゃん?あの時の悲鳴はエグかったな。」

 「ウンコしてでも笑いを取れ」との先輩からの非情な指令に追い詰めらた俺は、意を決してオナニーを始めたのだった。真昼間のキャンパスで全裸になってオナニーをするという非日常に頭の中がクラクラした。多くの新入生が足を止め、遠巻きにスマホで撮影する中、俺の身体は少しずつ変化し始めた。完全に勃起したところで勃起を振り回して見せた。
 「フル勃起しましたーーーー!もうちょっとでいきそうです!!!」

 自分で言うのも何だが俺のアレは勃起すると相当大きくなり、ある意味グロテスクにさえ映る。勃起をゆさゆさと振り回すと女子学生の「いやーーー!」という悲鳴がキャンパスに響いた。
 その直後、スマホに「撤収」の文字が入り、俺は慌てて服をかき集め建物の中に消えた。服を着てしばらくすると学生指導の職員が時折行ったり来たりしている。全裸の男を探しているのだ。オナニーは勃起こそしたものの、未遂に終わった。

 飲み会の席でも俺は全裸だった。
 「しかしオマエ、平常時は普通だけど、勃起するとメチャでかいな。」
 「大きすぎてキモすぎじゃね?」
 「ほら、早速バズってるぞ!」
 先輩が見せてくれたスマホの画面で自分が勃起を振り回している動画が再生されていた。動画の下に「10万回」の文字が見えた。俺は自分の痴態が物凄い勢いで拡散されていることに肌がヒリヒリするような焦燥感を覚えた。
 「今後はデカチンキャラとして売ってくか?」
 先輩方の意見が一致した。

 通常、1年生が入れば1年生が汚れ役を買い、2,3年生は漫才やらコントやら知性で笑わせるようになるのが普通だった。しかし今年は1年生がトリオ漫才をやり、自分は裸芸人枠で過ごすことになった。着衣の後輩の前で一人だけ全裸で過ごすのは、本当に惨めだった。
 せっかくのデカチンなのだから使わないのはもったいない、という理由で俺はいたるところで勃起を披露することになった。夜の居酒屋などは序の口で、駅のホーム、牛丼屋、交番の前、交差点、橋の上、パチンコ屋、人が行き交う商店街、昼夜問わず先輩の気が向けばどこでもズボンを脱ぎ、勃起を披露した。コンビニのトイレで全裸になり、勃起させたまま会計したこともあった。警察に通報され、こっぴどく叱られたこともあった。
 そんなことがあっても、俺が裸芸人枠から昇格することもなく、1年後も俺は裸芸人として新入生の勧誘担当になった。

 「みーーなさーーーーん、お笑いサークルOPPぜひ入ってくださーーーーい!」
 3年になった俺はいきなり勃起した状態で登場した。もちろん一糸まとわぬ全裸である。

 この1年で俺もだいぶ変わったと思う。去年のこの場所では恥ずかしくてどうしようもなかった。しかし、いろんな場所で俺の勃起を見て先輩達が笑い、女子達が悲鳴を上げ、男子学生が盛り上がっているのを見ると段々と勃起を見せることに喜びを感じるようになってきていた。最近では脱ぐとすでに半分以上勃起しており、それも一つの笑いのネタとなっていた。

 俺は去年以上に勃起を揺らし、腰をグラインドさせた。過去最大の悲鳴が響く。今年は後輩の撮影部隊も各所でスマホ片手ににやにやしながら俺を撮影している。機は熟している。
 「それでは、今からオナニーしまーーーーーーーーーす!!」
 登場の前にトイレで何度も寸止めをして仕込んでおいた。よく見るとチンポの先はもうぬるぬるしている。ふと、目が潤んでくるのを感じた。視界が歪む。多くの新入生の男女の視線の先、スマホのカメラのレンズに全裸の男が反射する。
膝ががくがくして立っているのが精一杯だ。
 「もういきます、いくっいくーーーーーーーーーーーーー!!!」

 腰をグラインドさせながら、白濁液を何度も噴射する。やがてキャンパスに大きな歓声が轟き、股間から汁を垂らした男が恍惚の表情で天を見上げていた。
 たくさんのスマホレンズがこの模様を克明に刻み、やがてこの醜態も永久にデジタル空間を漂流するだろう。


サークル勧誘(短編)

「みーーなさーーーーん、お笑いサークルOPPぜひ入ってくださーーーーい!」
キャンパスにひときわ大きな若い男の声が鳴り響いた。
「毎週、火曜日と木曜日、サークル棟で活動してまーーーーす!見学来てくださーーーーーーーーーーーーーーーーーい!」

 風薫る5月。寒さからも解放され、4月から始まった新しいキャンパスライフに期待と不安を抱きながら行き交う新入生たち。その学生達の眼前でサークル勧誘する若い男。ここまではありがちな春のキャンパスの風景である。特筆すべきはその若い男の服装である。一糸まとわぬ全裸なのだ。適度に筋肉のついたそのスリムな身体には墨なのかマジックなのか、大きく「罰ゲーム」と書かれている。またその男の陰毛は中央部分が綺麗に剃られており、ご丁寧に「チンポと一目瞭然のことが書かれている。男はややひきつったような笑顔を浮かべながら大声で、叫び続けた。

「みーーなさーーーーん、お笑いサークルOPPぜひ入ってくださーーーーい!」
 その陰部を隠すこともなく両手をバンザイするように大きく広げ、足もガニ股気味に大きく開いている。よく見ると男の目にはうっすらと涙が浮かんでいるようであった。


 4月。お笑いサークルOPPの幹部会議では新入生の勧誘ノルマは5人と決まった。もし、5人集められなかった場合は勧誘担当の2年によるペナルティーが行われることが決まった。死に物狂いで必死に勧誘を続けたが、新歓合宿に参加したのは3人の新入生だった。サークルと言ってもお笑いサークルという特殊な分野である。3人集まれば上々だと思われたが、他のメンバーへの示しがつかないという理由でペナルティーは実行されることになった。


 足を止めて、遠巻きに若い男を見ている新入生もいれば、チラチラと顔を赤らめながら見ている女子学生もいる。その視線の先は若い男の「チンポ」を見ているようだった。また多くの学生がスマホ片手に動画を撮影していた。これらの映像はやがてネットの世界を漂流し、男のデジタルタトゥーとなるであろう。


 男は叫びながら1年前のことを思い出していた。右も左もわからずキャンパスを歩いていると、親切な先輩たちにサークル勧誘された。お笑いなどやるタイプではなかったが、とりあえず飲み会だけでも来てくれ、お金はかからないと言われて参加したその飲み会で、べろべろに飲まされた挙句、全裸の写真を撮られたのだった。大股開きや肛門丸出しの写真、チンポに落書きを施した写真など、常軌を逸した写真を撮られ、サークルを辞めたら世界中にばら撒くと言われた。実際、自分のスマホに全画像は転送され、待ち受けに設定されたりLINEで知り合いに送られそうになったり、脅しのネタに使われた。その後も全裸写真をネタに恥の上塗りを重ねた。新歓合宿ではチンポにリボンを結んび全裸でキャンプ場を走りまわり、スポーツ大会ではふんどし一丁でグランドを一周し、最後にふんどしを脱ぎ捨て、チアリーダー部に突進した。文化祭ではエンドレス野球拳と称して全裸になった後も客席に向かって肛門を開いて見せたり、包皮を剥いたりと信じられないくらいの恥辱を味わわされていた。これらは全て動画として保存され、男の退部を阻止する道具となっているのだ。


「毎週、火曜日と木曜日、サークル棟で活動してまーーーーす!楽しいことたくさんやってまーーーーす!」
 叫び続けて10分、そろそろ終了の合図がくるはずだった。校舎の壁に立てかけたスマホに見張り役から「撤収」の2文字が送られてくるはずだった。しかしそこに現れたのは想像とは違う非常な文字列だった。


「笑いが足りない」
「ウンコしてでも笑いを取れ」


 先輩からのLINEだった。男は震え始めた。便意は全くない。尿意もない。今からできることと言えば・・・。自分の痴態が世界中にばらまかれる悪夢に比べたら・・・。
 男はもはや冷静な判断ができなくなっていた。恥の上塗りがさらなる恥辱動画を量産していることにも気づかないほどに。


「それでは最後に、今からオナニーしまーーーーーーーーーす!!」
特段大きな男の声がキャンパスに響き、どよどよとした悲鳴が後を追った。

特別役務従事者の憂鬱2

 毛告が特別役務従事者に選抜されてから1年が近づいていた。その間、彼は国民のおもちゃとして人権を剥奪され、目に見えて崩壊していった。
 ある日のこと、車や歩行者の行き交う大通りの交差点に、全裸で立つ毛告の姿があった。
かつては交差点の脇に銅像が建っていたのだが、しばらく前から毛告が恥を晒すためのステージとして銅像のみ撤去され、1平方メートルほどの台座だけが残されていた。台座に登り毛告が叫ぶ。
 「みなさーーーん、みんなのアイドル毛告ちゃんでーーーす!今日は今まで練習してきたアナルオナニーを披露しまーーーす!」
 大声で叫んだかと思うと、ビニール袋から子どもの腕はあろうかと思われる極太のディルドを取り出した。不気味な程黒いディルドにローションを垂らす。怪しく黒光りしたディルドを台座の中央に置き、そのまま腰をうずめていく。
 「にょーーーんん!ふぉにょにょーーーーんんんん!!」
 日常的に媚薬を摂取することを強要され、快楽の虜になった毛告が奇声を発し、喘ぐ。その姿はライブ配信されるばかりでなく、事前にSNSで告知されていたため、多くの人が交差点に集まり、スマホ片手に撮影していた。
 #毛告 #キモ杉 #変態 #人間のゴミ #特役従事者こわ #キモ射精
 SNSは毛告のハッシュタグで溢れ、極太ディルドに跨りながら腰を上下に揺らし、乳首をいじりながら射精する毛告の動画がトレンド上位に名を連ねた。

 もちろん、本来の仕事である中高生に生きたモデルとして行う性教育も引き続き行われていた。むしろ、その内容はより強度を増したと言ってもよい。中高一貫の女子学校に全裸で潜入し、丸々2日を使い、全クラスで勃起から射精に至るまでを披露するのだ。通常の男性であれば1日に数十回もの射精をすることは肉体的に難しいだろうが、毛告は睾丸に特殊な注射を打ち、1日に何十回も射精ができるよう肉体改造されていた。
 「聖〇〇女子のみなさーーーん!まずは毛告ちゃんが興奮するようにお尻の穴をチェックしてよーーー!」
 教壇に立つと毛告はおもむろに背中を向け、腰を曲げると、両手でぐっと尻たぶを開き、花も恥じらう女子校生の前に毛むくじゃらのアナルを見せつけるのだった。
 「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
 聞いたことのない悲鳴が校内に響き渡り、快楽に抗えない身体となった毛告の勃起中枢を刺激した。
 「ほら、こんなにちんちんが大きくなったよ。誰か触って固さをチェックしてよーー!」
 女子生徒がわれ先にと逃げ惑う教室の中、全裸の毛告が勃起させた性器を揺らしながら追いかけまわす光景はまさに地獄絵図であった。中には勃起した大人の男の性器に気持ち悪さを覚え、卒倒する生徒もいた。
 「みんな見てーーーー!男の人も乳首が感じるんだよーーーーー!!」
 教卓に登った毛告は勃起した性器をそのままに、両手で乳首をいじるのだった。鈴口の先からドロドロと精液が流れ落ちる。媚薬の影響か、乳首を少しいじっただけですぐにエクスタシーに到達していまい、射精の快感が常時続いているような状態であった。
 「あおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!」
 発情期の野生動物のような雄叫びが女子高の校舎にこだました。

 数週間後、○○大学卒業証書授与式。かつては毛告自らが大学生活を送っていた大学の卒業式である。都内の武道館に晴れ着の女子大生やスーツ姿の男子学生が集う。皆晴れやかな表情で卒業を祝っていた。ただひとつ違うのは、式の最後に「後輩からのエール」という項目が新設されていることだった。
 感動的な式の最後、「後輩からのエール」に登場したのは毛告であった。しかしその姿はもはやかつての爽やかな好青年とは似ても似つかぬものであった。一糸纏わぬ姿で着飾った数千人の前に登場した毛告。髪は切ることを禁じられていたため、無造作に長く伸ばしているが、頭頂部分だけ丸刈りにされ、落ち武者のような髪型となっていた。顔も身体も「毛告ブタ化計画」により醜く太り、額には「毛告」の名前が刻印されていた。鼻には牛のような大きな輪の形のピアスが括り付けられて、紐で結ばれていた。
 「はーーーーい!みんな――――!卒業おめでとーーーーーう!」
虚ろな目で叫ぶ毛告が両手を上げ会場に向かって手を振る。脇の下からピンク色に染めた腋毛がのぞき、会場はどよめきに包まれた。
 「ねえ!みんな、毛告ちゃんのちんちんチェックしてーーーーーーーー!」
毛告の股間にカメラが寄り、会場のスクリーンに投影される。強制的な永久脱毛で一切なくなったパイパンの陰毛部分にはわざわざ「ちん毛」の文字がタトゥーで刻まれていた。驚くべきはそのペニスであった。尿道が陰茎の根本まで真っ二つに切れ目が入れられているのだ。
 「毛告は尿道割礼の手術を受けたんだよーー!おしゃれでしょーーーーー!」
 勃起させながらペニスの切れ目を見せつける姿に悲鳴が沸き起こる。乳首をこすりながら快感を求める毛告が振り返ると、尻の分け目にびっしりとした黒い毛が覗く。彼の名前の由来になった濃い目のケツ毛はパイパンの陰毛とは対照的に養毛剤などを塗ることを強制され、より濃く、太く長いケツ毛となっていた。
 もはやその姿は人間というより、何か得たいの知れない生き物のようであった。人間としての尊厳を全て破壊され、ただ快楽を求め続けるだけのモンスターとなっていた。これが国民のおもちゃの末路であった。
 「だめーーー!いくーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
 真っ二つに裂けたペニスの根本からぼとぼとと精液が滴り落ちた。

 6畳一間のアパートの一室。全裸の男が横たわっていた。時折ビクッと大きく身体を震わせてながら小さく痙攣していた。脳内の快楽が絶頂に達し、もはや動くこともできず、痙攣しているだけの男。つけっぱなしのTVから女性の奇声が響き渡っている。
「いえーーーい!毛告の後任を務めます、万華狂子でーーーーす!これからいっぱいいろんなことに挑戦するんでよろしくね!では、今からマン毛をむしりまーーーーす!!!」

僕には翼がない(詩)

僕には翼がない
あるのは朽ち果てた流木のようなこの体だけ

学校という閉じられた空間
日常を非日常に変える儀式

祝祭の日 僕の裸体は皆を楽しませるためのただの道具
一番秘密にしておきたい場所を皆の眼前に晒される暴力

歓声の中 露わにされた包まれた部位に悲鳴の雨が降る
桃色への嘲笑 視線に刺され膨らみを帯びる

乱暴にいじられ流れる粘液は涙の様
最後の時に向かって少しずつ輝きを増す

成長の証の黒色は取り除かれる運命
夏のプールサイドで無毛を嗤われるための準備

この刻を逃さぬよう 克明になされる記録
皆の笑顔を作るため 共有されてゆく

男子も女子も皆楽しげだ 喜んでくれてありがとう
「今から精液を発射します!」

僕には翼がない
もし翼があったら必ずどこかへ飛んでいく

特別役務従事者の憂鬱

【恥と屈辱の交差点(http://hajiandchijoku.x.fc2.com/top.html)様に敬意を込めて】


 ある朝、颯爽と走る男の姿があった。男は一糸纏わぬ姿で、街を走り抜ける。その表情は深く羞恥に歪んでいるが、対照的に行き交う人々は特に大きな驚きも見せずに、いつも通り通勤している。そう、彼が全裸で走る奇行はこの国の日常なのだ。

 特別役務従事者選抜制度、通称女芸人選抜制度は数年前に政府の目玉政策として開始されたものだ。全国から1名若い女性を選抜し、1年間特役従事者として労役を負い、また広く国民に娯楽を提供する制度だ。特にテレビのバラエティ番組などにも強制的に出演させられ多くの破廉恥な芸を披露することから女芸人選抜制度などとも呼ばれている。
 この制度は刺激を求める庶民にすぐに浸透し、数年でなくてはならないものとなった。毎年、新たな特役従事者を決定する時期にはテレビで連日特番が組まれるなど、大きな盛り上がりを見せるようになっていた。しかし、一方で予期せぬ問題も発生した。
 制度が開始された7年目、特役従事者が失踪したのだ。失踪したのは本名橳島紗英、特役従事者としての名前は珍保子(チンポコ)という名の女子大生だった。彼女は連日の羞恥芸に耐えられずにいたが、自らの所属する大学の入学式において全裸芸を披露すると、そのまま監視役の目を盗み失踪した。警察の必死の捜索も実を結ばず、その生死さえも疑われる状況であった。ちなみに彼女の最後の芸は、入学式の壇上において全裸になり、学長の挨拶の最中に性器を使って腹話術を行うというもので、二十歳の女子大生にとってその恥ずかしさは想像を絶するものがあったであろう。もちろん、その映像は8Kの高精細な映像で記録され全国に流されるのだ。
 なくてはならない存在になった特役従事者が消えた今、どのような対策を取るのか政府はもちろん国民を巻き込んだ大きな議論に発展した。特役従事者の代理として橳島紗英の姉妹を推す声が有力だったが、橳島紗英に姉妹はいなかった。しかし橳島の父親が再婚前に一人息子がいることが判明し、彼の素性が調べられた。そして今年度については残り数ヶ月ということもあり、イレギュラーではあるが男性の特役従事者を実験的に採用することが決定した。彼の名前は橳島良平。都内のお坊ちゃま大学に通う爽やかな好青年だった。
 
 ある日、良平が大学に行くと学務課から呼び出される。そこで手渡されたのは「特別役務従事者選抜通知書」だった。書類を持つ手が震える。まさか男の自分が特役従事者に選ばれるとは想像もしないことだった。その日を境に良平の生活は一変した。
大学は強制的に休学措置が取られ、代わりに良平に与えられた仕事は主に2つ。全国を行脚し中高生に生きたモデルとして性教育を行うこと、そしてリサイクル活動の推進である。もともと特別役務従事者選抜制度は女性が実行することを前提に設計された制度である。このため男の良平の場合はより羞恥の度合いを高く設定しなければ国民の娯楽として機能しないと判断された。ある意味で女芸人以上に過酷な状況に、良平は日々追い詰められていったのだ。
 まず特役従事者として橳島良平という名前は使用禁止となった。テレビのバラエティ番組での集計の結果、毛告(ケツゲ)という名前が決定した。そして橳島の父親が買い与えた都内のマンションは使用禁止となり、代わりに築30年を超える6畳1間のアパートが提供された。もちろんこの部屋には複数台の監視カメラが設置され、トイレに至るまでライブ放送されるのだ。

 良平、いや毛告の1日を見てみよう。まずは6時に起床。許可された衣服は基本的に薄い布地でできた六尺ふんどしのみである。このふんどし3着を連日着まわしていくことが義務付けられた。そして、朝のランニングである。朝のランニングは怪我防止のためのランニングシューズ以外、一切の衣服の着用が禁じらている。小さな布地の六尺ふんどしでさえ着用することは許されず、通勤・通学の多くの人々でごった返す時間に、毛告はボロアパートから全裸で飛び出す。もちろん、性器を手で隠すことなどできない。そればかりか毛告の下腹部には陰毛が見当たらない。数日前のバラエティ番組の罰ゲームで陰毛の永久脱毛が決定したのだ。陰毛を剃ってはレーザー照射する生活が始まったところなのだ。駅前の大通りを走り抜け、ロータリーに到着すると全裸でラジオ体操を始める。多くの人の無関心な呆れ顔をよそに、ラジオ体操第2まで全力でやりきらなければならない。性器を揺らしながら体操を終わらせると、その足で駅前のファーストフード店に直行する。動画サイトで進められている企画「毛告ブタ化計画」に則り、大き目のバーガーとポテトのLを3個購入しテイクアウトする。走る気力もなく全裸のままとぼとぼと家に着くと、むせながらバーガーに貪りつく。1日の摂取カロリーは成人男性の3倍と決められており、爽やかなイケメンからメタボ腹のお笑い芸人になる過程もエンターテインメントとして楽しめるよう綿密に企画されているのだ。大量の食事の後は排泄の時間だ。これも全てライブ放送される。

 身なりを整えると今日の仕事に出発する。ふんどし一丁で電車に乗り、郊外の中高一貫校に向かう。ここでは体育館に集められた全校生徒の前で全裸になり、自らの性器を使って性教育を行うのだ。
「男の子はもう精通したかな?女の子はちんちんが勃起するとこ、よーく見てね!でもちん毛がなくてごめんなちゃい!」
騒然となった会場で1人全裸になり、体育館のステージで性器を擦り上げる。1週間禁欲させられていたためすぐに勃起し、最終的には体を震わせながら大量の精子を放出したのだった。蜂の巣を突いたようになった体育館を後にし、教員らの冷たい視線から逃れるように家路に着く。
 もちろん昼食、夕食も高カロリーな食事が続く。確実に体重も増えてきている。しかしぽちゃりと膨らんでいく腹にがっかりしている間はない。次の仕事が待っている。動画サイトの更新は原則毎日と決められている。今日のテーマは「ホームレスのチンポを咥えるまで帰れまテン」だ。路上生活者の多い地域の公園で住人に声をかけ、「チンポをしゃぶらせてください!」とお願いし成功するまで帰れないというドキュメンタリーだ。数日水浴びもしていない住人の香り立つチンポをぱくりと咥え、あまりの匂いにえずきながら涙を流す迫真のシーンが見どころだ。

 ハードな仕事を終え、ボロアパートに戻る。湯船・シャワーの使用は禁じられており、手桶で水浴びをするのが数少ない唯一の娯楽だ。薄い布団に横になり、スマホを開くと続々と今後の企画や指令が届いていた。
 「進めようリサイクル!うんこを食べてフードロスを減らそう」
 「女子校での性教育~男性器を見たことのない女子中高生のみんな、男子の勃起から射精までを生で見てみよう~」
 「永久脱毛の次はピアスか、タトゥーか?緊急国民投票!」
 「生中継!全裸100㎞マラソン」
 「ハッテンバに全裸で放置されたら?祝!アナル処女卒業」

 一筋の涙が頬を伝う。絶望的な気分に支配され、なかなか眠気がやって来ない。明日は「今週のアナル」の更新日だ。早く寝なければならない。絶望の日々は続く。

プロフィール

天使マン【羞恥小説】

Author:天使マン【羞恥小説】
忘年会やパーティでの裸踊り・チンポ芸など大好きな「天使マン」です。いじめられる男、羞恥系M男小説をたまに書いてます。
mail:tensiman19@gmail.com
X:@tensiman1919 

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