2017/01/31
をわりのはぢまり~ある少年の日常~20
卒業生を送る会、当日。1年から3年まで全校生徒が体育館に集められた。先生方も全員勢揃いだ。出し物については、実行委員を中心に作成され、担当の先生がチェックして、披露するのが恒例だった。今年は短時間のムービーを流した後、曲に合わせてダンスをするという出し物だと噂されていた。しかし僕は知っていた。それが全てフェイクであるということを。その証拠に僕は体育館の上の階で棚の陰に隠れて全裸でしゃがんで待機しているのだ。正確には全裸に赤マントと靴下、上履きを着用した姿でいた。先生には仮の映像を見せておいて、当日はサプライズと称して別な映像を流すという計画だった。ムービーが終わった後、僕はこの格好で全校生徒の前に飛び出してゆくのだ。
映像が始まった。僕も映像は見たことはない。佐々木達が映像部と相談して作ったものだ。隠れている僕からはやや斜めにステージ上の大スクリーンが見える。心臓の鼓動が止まらない。
「お父さん、お母さん、こんなに大きくなりました。ほら、わき毛も生えたし、チン毛も生えたよ!・・・」
あの声はゆうただろうか。ナレーションとともに、むき出しのわきが映る。そこには最近やっと生えそろった黒々としたわき毛も映っている。あれは、僕のものだ。川で撮られた時の動画だ。そして、ややパンツをずらしたへそ下からのぞく陰毛がアップで映された。
「きゃーーー!」
「おいおい!」
体育館がざわめきに包まれたように聞こえた。あの映像も僕のものだ。教室でのストリップの時のものだ。次第にBGMが大きくなってゆく。みんなの声がかき消されてゆく。
「ほら、ちんちんもこんなに大きくなったよ!」
スライドショーのように様々な場面での僕のチンコのドアップが次々に映し出された。
先生達も騒ぎ始めた。チェック担当の女の先生は頭を抱えている。体育の先生が何か手を振って叫んでいるが、それをかき消すかのように大音量のバンドの曲が流れている。
生徒達はこの急なサプライズにみな盛り上がっているように見えた。熱に浮かされたような興奮が伝わってくる。
「ケツ毛も生えましたーーー!」
僕の肛門腹話術が動画で流された。どよめきが一つの生き物のようになって襲ってくる。
「毎日、オナニーもしてまーーーす!」
というふざけたようなナレーションとともに、ボッキマンの光速オナニーの動画が流れ始めた。僕の顔にはうっすらモザイクがかかっている。しかしチンコには何の修正もしていない。全校生徒が今、巨大スクルーンで僕のオナニーを見ているのだ。
「ボッキマン、発射!3、2、1、・・・」
いよいよ、発射するというところで映像は終わった。
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