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サークル勧誘(短編)

「みーーなさーーーーん、お笑いサークルOPPぜひ入ってくださーーーーい!」
キャンパスにひときわ大きな若い男の声が鳴り響いた。
「毎週、火曜日と木曜日、サークル棟で活動してまーーーーす!見学来てくださーーーーーーーーーーーーーーーーーい!」

 風薫る5月。寒さからも解放され、4月から始まった新しいキャンパスライフに期待と不安を抱きながら行き交う新入生たち。その学生達の眼前でサークル勧誘する若い男。ここまではありがちな春のキャンパスの風景である。特筆すべきはその若い男の服装である。一糸まとわぬ全裸なのだ。適度に筋肉のついたそのスリムな身体には墨なのかマジックなのか、大きく「罰ゲーム」と書かれている。またその男の陰毛は中央部分が綺麗に剃られており、ご丁寧に「チンポと一目瞭然のことが書かれている。男はややひきつったような笑顔を浮かべながら大声で、叫び続けた。

「みーーなさーーーーん、お笑いサークルOPPぜひ入ってくださーーーーい!」
 その陰部を隠すこともなく両手をバンザイするように大きく広げ、足もガニ股気味に大きく開いている。よく見ると男の目にはうっすらと涙が浮かんでいるようであった。


 4月。お笑いサークルOPPの幹部会議では新入生の勧誘ノルマは5人と決まった。もし、5人集められなかった場合は勧誘担当の2年によるペナルティーが行われることが決まった。死に物狂いで必死に勧誘を続けたが、新歓合宿に参加したのは3人の新入生だった。サークルと言ってもお笑いサークルという特殊な分野である。3人集まれば上々だと思われたが、他のメンバーへの示しがつかないという理由でペナルティーは実行されることになった。


 足を止めて、遠巻きに若い男を見ている新入生もいれば、チラチラと顔を赤らめながら見ている女子学生もいる。その視線の先は若い男の「チンポ」を見ているようだった。また多くの学生がスマホ片手に動画を撮影していた。これらの映像はやがてネットの世界を漂流し、男のデジタルタトゥーとなるであろう。


 男は叫びながら1年前のことを思い出していた。右も左もわからずキャンパスを歩いていると、親切な先輩たちにサークル勧誘された。お笑いなどやるタイプではなかったが、とりあえず飲み会だけでも来てくれ、お金はかからないと言われて参加したその飲み会で、べろべろに飲まされた挙句、全裸の写真を撮られたのだった。大股開きや肛門丸出しの写真、チンポに落書きを施した写真など、常軌を逸した写真を撮られ、サークルを辞めたら世界中にばら撒くと言われた。実際、自分のスマホに全画像は転送され、待ち受けに設定されたりLINEで知り合いに送られそうになったり、脅しのネタに使われた。その後も全裸写真をネタに恥の上塗りを重ねた。新歓合宿ではチンポにリボンを結んび全裸でキャンプ場を走りまわり、スポーツ大会ではふんどし一丁でグランドを一周し、最後にふんどしを脱ぎ捨て、チアリーダー部に突進した。文化祭ではエンドレス野球拳と称して全裸になった後も客席に向かって肛門を開いて見せたり、包皮を剥いたりと信じられないくらいの恥辱を味わわされていた。これらは全て動画として保存され、男の退部を阻止する道具となっているのだ。


「毎週、火曜日と木曜日、サークル棟で活動してまーーーーす!楽しいことたくさんやってまーーーーす!」
 叫び続けて10分、そろそろ終了の合図がくるはずだった。校舎の壁に立てかけたスマホに見張り役から「撤収」の2文字が送られてくるはずだった。しかしそこに現れたのは想像とは違う非常な文字列だった。


「笑いが足りない」
「ウンコしてでも笑いを取れ」


 先輩からのLINEだった。男は震え始めた。便意は全くない。尿意もない。今からできることと言えば・・・。自分の痴態が世界中にばらまかれる悪夢に比べたら・・・。
 男はもはや冷静な判断ができなくなっていた。恥の上塗りがさらなる恥辱動画を量産していることにも気づかないほどに。


「それでは最後に、今からオナニーしまーーーーーーーーーす!!」
特段大きな男の声がキャンパスに響き、どよどよとした悲鳴が後を追った。

プロフィール

天使マン【羞恥小説】

Author:天使マン【羞恥小説】
忘年会やパーティでの裸踊り・チンポ芸など大好きな「天使マン」です。いじめられる男、羞恥系M男小説をたまに書いてます。
mail:tensiman19@gmail.com
X:@tensiman1919 

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