2020/09/07
僕には翼がない(詩)
僕には翼がないあるのは朽ち果てた流木のようなこの体だけ
学校という閉じられた空間
日常を非日常に変える儀式
祝祭の日 僕の裸体は皆を楽しませるためのただの道具
一番秘密にしておきたい場所を皆の眼前に晒される暴力
歓声の中 露わにされた包まれた部位に悲鳴の雨が降る
桃色への嘲笑 視線に刺され膨らみを帯びる
乱暴にいじられ流れる粘液は涙の様
最後の時に向かって少しずつ輝きを増す
成長の証の黒色は取り除かれる運命
夏のプールサイドで無毛を嗤われるための準備
この刻を逃さぬよう 克明になされる記録
皆の笑顔を作るため 共有されてゆく
男子も女子も皆楽しげだ 喜んでくれてありがとう
「今から精液を発射します!」
僕には翼がない
もし翼があったら必ずどこかへ飛んでいく