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特別役務従事者の憂鬱

【恥と屈辱の交差点(http://hajiandchijoku.x.fc2.com/top.html)様に敬意を込めて】


 ある朝、颯爽と走る男の姿があった。男は一糸纏わぬ姿で、街を走り抜ける。その表情は深く羞恥に歪んでいるが、対照的に行き交う人々は特に大きな驚きも見せずに、いつも通り通勤している。そう、彼が全裸で走る奇行はこの国の日常なのだ。

 特別役務従事者選抜制度、通称女芸人選抜制度は数年前に政府の目玉政策として開始されたものだ。全国から1名若い女性を選抜し、1年間特役従事者として労役を負い、また広く国民に娯楽を提供する制度だ。特にテレビのバラエティ番組などにも強制的に出演させられ多くの破廉恥な芸を披露することから女芸人選抜制度などとも呼ばれている。
 この制度は刺激を求める庶民にすぐに浸透し、数年でなくてはならないものとなった。毎年、新たな特役従事者を決定する時期にはテレビで連日特番が組まれるなど、大きな盛り上がりを見せるようになっていた。しかし、一方で予期せぬ問題も発生した。
 制度が開始された7年目、特役従事者が失踪したのだ。失踪したのは本名橳島紗英、特役従事者としての名前は珍保子(チンポコ)という名の女子大生だった。彼女は連日の羞恥芸に耐えられずにいたが、自らの所属する大学の入学式において全裸芸を披露すると、そのまま監視役の目を盗み失踪した。警察の必死の捜索も実を結ばず、その生死さえも疑われる状況であった。ちなみに彼女の最後の芸は、入学式の壇上において全裸になり、学長の挨拶の最中に性器を使って腹話術を行うというもので、二十歳の女子大生にとってその恥ずかしさは想像を絶するものがあったであろう。もちろん、その映像は8Kの高精細な映像で記録され全国に流されるのだ。
 なくてはならない存在になった特役従事者が消えた今、どのような対策を取るのか政府はもちろん国民を巻き込んだ大きな議論に発展した。特役従事者の代理として橳島紗英の姉妹を推す声が有力だったが、橳島紗英に姉妹はいなかった。しかし橳島の父親が再婚前に一人息子がいることが判明し、彼の素性が調べられた。そして今年度については残り数ヶ月ということもあり、イレギュラーではあるが男性の特役従事者を実験的に採用することが決定した。彼の名前は橳島良平。都内のお坊ちゃま大学に通う爽やかな好青年だった。
 
 ある日、良平が大学に行くと学務課から呼び出される。そこで手渡されたのは「特別役務従事者選抜通知書」だった。書類を持つ手が震える。まさか男の自分が特役従事者に選ばれるとは想像もしないことだった。その日を境に良平の生活は一変した。
大学は強制的に休学措置が取られ、代わりに良平に与えられた仕事は主に2つ。全国を行脚し中高生に生きたモデルとして性教育を行うこと、そしてリサイクル活動の推進である。もともと特別役務従事者選抜制度は女性が実行することを前提に設計された制度である。このため男の良平の場合はより羞恥の度合いを高く設定しなければ国民の娯楽として機能しないと判断された。ある意味で女芸人以上に過酷な状況に、良平は日々追い詰められていったのだ。
 まず特役従事者として橳島良平という名前は使用禁止となった。テレビのバラエティ番組での集計の結果、毛告(ケツゲ)という名前が決定した。そして橳島の父親が買い与えた都内のマンションは使用禁止となり、代わりに築30年を超える6畳1間のアパートが提供された。もちろんこの部屋には複数台の監視カメラが設置され、トイレに至るまでライブ放送されるのだ。

 良平、いや毛告の1日を見てみよう。まずは6時に起床。許可された衣服は基本的に薄い布地でできた六尺ふんどしのみである。このふんどし3着を連日着まわしていくことが義務付けられた。そして、朝のランニングである。朝のランニングは怪我防止のためのランニングシューズ以外、一切の衣服の着用が禁じらている。小さな布地の六尺ふんどしでさえ着用することは許されず、通勤・通学の多くの人々でごった返す時間に、毛告はボロアパートから全裸で飛び出す。もちろん、性器を手で隠すことなどできない。そればかりか毛告の下腹部には陰毛が見当たらない。数日前のバラエティ番組の罰ゲームで陰毛の永久脱毛が決定したのだ。陰毛を剃ってはレーザー照射する生活が始まったところなのだ。駅前の大通りを走り抜け、ロータリーに到着すると全裸でラジオ体操を始める。多くの人の無関心な呆れ顔をよそに、ラジオ体操第2まで全力でやりきらなければならない。性器を揺らしながら体操を終わらせると、その足で駅前のファーストフード店に直行する。動画サイトで進められている企画「毛告ブタ化計画」に則り、大き目のバーガーとポテトのLを3個購入しテイクアウトする。走る気力もなく全裸のままとぼとぼと家に着くと、むせながらバーガーに貪りつく。1日の摂取カロリーは成人男性の3倍と決められており、爽やかなイケメンからメタボ腹のお笑い芸人になる過程もエンターテインメントとして楽しめるよう綿密に企画されているのだ。大量の食事の後は排泄の時間だ。これも全てライブ放送される。

 身なりを整えると今日の仕事に出発する。ふんどし一丁で電車に乗り、郊外の中高一貫校に向かう。ここでは体育館に集められた全校生徒の前で全裸になり、自らの性器を使って性教育を行うのだ。
「男の子はもう精通したかな?女の子はちんちんが勃起するとこ、よーく見てね!でもちん毛がなくてごめんなちゃい!」
騒然となった会場で1人全裸になり、体育館のステージで性器を擦り上げる。1週間禁欲させられていたためすぐに勃起し、最終的には体を震わせながら大量の精子を放出したのだった。蜂の巣を突いたようになった体育館を後にし、教員らの冷たい視線から逃れるように家路に着く。
 もちろん昼食、夕食も高カロリーな食事が続く。確実に体重も増えてきている。しかしぽちゃりと膨らんでいく腹にがっかりしている間はない。次の仕事が待っている。動画サイトの更新は原則毎日と決められている。今日のテーマは「ホームレスのチンポを咥えるまで帰れまテン」だ。路上生活者の多い地域の公園で住人に声をかけ、「チンポをしゃぶらせてください!」とお願いし成功するまで帰れないというドキュメンタリーだ。数日水浴びもしていない住人の香り立つチンポをぱくりと咥え、あまりの匂いにえずきながら涙を流す迫真のシーンが見どころだ。

 ハードな仕事を終え、ボロアパートに戻る。湯船・シャワーの使用は禁じられており、手桶で水浴びをするのが数少ない唯一の娯楽だ。薄い布団に横になり、スマホを開くと続々と今後の企画や指令が届いていた。
 「進めようリサイクル!うんこを食べてフードロスを減らそう」
 「女子校での性教育~男性器を見たことのない女子中高生のみんな、男子の勃起から射精までを生で見てみよう~」
 「永久脱毛の次はピアスか、タトゥーか?緊急国民投票!」
 「生中継!全裸100㎞マラソン」
 「ハッテンバに全裸で放置されたら?祝!アナル処女卒業」

 一筋の涙が頬を伝う。絶望的な気分に支配され、なかなか眠気がやって来ない。明日は「今週のアナル」の更新日だ。早く寝なければならない。絶望の日々は続く。

プロフィール

天使マン【羞恥小説】

Author:天使マン【羞恥小説】
忘年会やパーティでの裸踊り・チンポ芸など大好きな「天使マン」です。いじめられる男、羞恥系M男小説をたまに書いてます。
mail:tensiman19@gmail.com
X:@tensiman1919 

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