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闇夜の指令(あとがき)

闇夜の指令、いかがでしたか?何となく書き出してみたら結構長く書けました。
後半はずっと勃起しながら書いてましたよ。(^^;)
一応今回で完結ですが、キャラが動き始めているので、また続編を書きます!
お楽しみに!
今回は特にDM等で応援してくれる方がたくさんいて、励みになりました。感謝しています。
ではまたお会いしましょう!

闇夜の指令05


「うぐ・・・むぐぅ。」
 とあるホテルの一室。男の呻き声が聞こえる。男は両手を後ろ手に縛られており、目にはアイマスクを装着されている。男の目には暗闇しか映っていないはずだ。男は全裸でベッドの横に跪いている。そして何かをしゃぶらされている。それはわずかな塩気があり、温かく固さのあるものだった。

「先輩、夢みたいですよ。憧れの先輩がこんな風に僕のチンポをしゃぶってくれるなんてね。嬉しいなあ。いやあ、がんばってネカマした甲斐がありましたよ。まんまと罠にはまってくれるなんてね。先輩相当溜まってたんですね、くくく。」

 聞き覚えるのある声が頭の上から聞こえてくる。今年入社したばかりの後輩の声だ。自分のデスクのすぐ後ろにいるやつだ。彼が就職活動でOB訪問してきた時から丁寧に接してきたつもりだ。何でこんな目に合わなければならないのか。

「初めて見た時から先輩をおもちゃにしようと思ってたんですよ。そのために大手を蹴ってこの会社に入ったようなもんです。しかし先輩の走りは良かったですよー。最高でした。先輩知ってますか?最近、監視カメラってネットで操作できるのが結構あるんですよ。管理者がパスワードとか設定してなくて、自由に操作できるんです。駐輪場の監視カメラも当然僕が乗っ取って録画させてもらいましたよ。見てみますか?」

 アイマスクをずらされ、突如暗闇から解放された。目の前のタブレットに自分の姿が映る。駅前の駐輪場でギャラリーに囲まれながら全裸でダブルピースしている姿だ。全て動画で撮られている。顔も鮮明にしっかり確認することができる。これでは何も言い逃れができない。嫌な汗が流れてくる。

「くくく。予想以上でしたね。この先走り!・・・先輩には我慢汁って言った方がわかりますかね。エロいですねー。どこからどう見ても変質者ですよ。会社の連中には見せられないなあ。でも先輩、すでにツイッターで先輩の動画が出回ってるんですよ!流したのはこのカメラに映ってるオタクっぽいやつですかねー。ちょっと距離があるんで顔がぼやけてますけど、ばれなきゃいいですね。」

 後輩のいきり立ったものを口に咥えさせられながら、自分が奈落の底へ転落してゆくような気がした。破滅の足音が聞こえる。そして、全裸マラソンが地獄の序章でしかないことを知った。

「先輩、これからも楽しませてくださいね!もうずっと僕のおもちゃですからね!そうそう、もうすぐハロウィンですよ。先輩にやってもらいたいコスプレがあるんですよー。今から楽しみだなー。」

 がんがんと耳鳴りが酷くなり、後輩の声が聞こえなくなってくる。眼前のタブレットの画面から勃起させたまま全裸で人ごみをすり抜けて走り去る男の姿が見えた。再び、暗闇が戻った。

 10月末日。自分は大き目のワンボックスカーの中にいた。着衣はない。靴下さえ履いていない完全な全裸だ。両手は後ろ手に親指を結束バンドで結ばれている。こんな小さな紐でしかないのに全く手を動かせない。完全に拘束された状態だ。
「先輩、ついに来ましたよー、ハロウィン。確か先輩ハロウィンデビューですよね?いきなり人気者になれますよ。じゃ、始めにこれで・・・。」
 股間にクリームが塗られた。缶には除毛クリームと書いてあるのが見える。
「先輩には「変態」のコスプレしてもらいますよ。わかりやすいように書いときましょ!」
 胸から腹にかけて、油性マジックででかでかと「変態」の文字が書かれた。
「これで誰が見ても変態ってわかるでしょ?あとは・・・。」
 後輩がリュックから丸い金属製の輪を取り出した。
「先輩、この前飲んだドリンク今日もちゃんと飲んで来ましたよね?あれ結構効くでしょ?先走りもいっぱい出たしね。で、このコックリングをつけて・・・。」
 後輩が金属製の輪に性器を通し始めた。輪の直径が小さくかなりのきつさを感じる。睾丸の部分と竿の部分がきゅっと前に押し出され、いつもより強調されているように見える。
「これで勃起させますよ。小さいリングなんで一度勃起したら簡単には戻んないですよ。」
 後輩の手が亀頭を刺激し始めた。このまま勃起してしまえば自分はどうなるのだろう。必死に勃起を我慢したが、やがて生理現象は起こり始めた。
「先輩、勃ってきましたねー。気分はどうですか?もうすぐ先輩の人生が終わるんですよ!全裸でパイパン、体にはでかでかと変態の二文字、勃起させ続けながら手で隠すこともできず、渋谷のど真ん中に置き去りですからねー、くくく。人生の最後を変態として楽しんでくださいよ。」
 これは何かの間違いではないだろうか。自分は悪夢でも見ているのではないか。想いとは裏腹に規則的な指の動きに勃起は固さを増した。

 しゃーっと大きな音を立ててワンボックスカーの扉が開いた。
「交通規制があるんでここで降りてもらいますよ。自力で交差点まで歩いて行ってくださいね。辿り着けたら・・・ですけど、くくく。」
 目の前にお祭り騒ぎで狂乱した渋谷の街が広がる。仮装した楽しそうな人の波。
「じゃあ行くよ!ハッピーハロウィン!」
 思い切り尻たぶを蹴られ、車から転げ落ちた。全裸の変態が渋谷の街に産み落とされた。死刑宣告のようにワンボックスカーの扉が閉まり、車が動き始める。人々の群れの中心で、台風の目のように全裸の男が立ち尽くす。完全に勃起した性器が天を指し、赤く膨れ上がった亀頭はその大きさを誇示し、切れ目からうっすらと粘液が見え隠れしている。
 一人の男がある意味で死んだ。そして、変態が誕生した。

闇夜の指令04

 多くの人の叫び声をかわしながら、駅前ロータリーの西側、自転車置き場に辿り着いた。見上げると「南口駅前駐輪場」の看板が見える。その陰に隠れるように監視カメラらしき丸い物が見えた。あいつの言った通りだ。

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駅前ロータリーまで来たら、南口駅前駐輪場まで来て。
頭上の看板の横に監視カメラがあるから探してみ。
んでカメラに向かってアヘ顔、両手でダブルピースを作って最低10秒写ってね。
そうそう、せっかくだからチンコはフル勃起させてね!
10秒未満だったり、半だちだったりしたら即「鬼拡散」だから注意して欲しい。
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 性器はびっくりするくらい小さく縮んでしまっている。まずは勃起させなければならない。しかもできるだけ早く。長く留まれば留まる程、僕にとって生き地獄の強度が増すだけなのだ。

「おいおいオナニーしてるぞ!」
「兄ちゃん元気いいな!」
 肉体労働者と思しき2人組のおやじに冷やかされながら、性器を擦りあげる。なかなか大きくならない。自転車の向こうのオタクっぽい学生がスマホを向けているのがわかる。早くしなければこのような画像も拡散されてしまう。下手したらムービーも撮られているかもしれない。全裸画像を消すためのチャレンジが新たな全裸画像を生んでしまうのでは洒落にならない。

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ちゃんと勃起するように1週間オナ禁だからね。
あと、マラソン2時間前に「マムシ&マカドリンク アルギニンプラス」を
服用するように。
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 野外で全裸になってたくさんの人の前で自慰行為を見せつける。自分はそんなことに興奮する変態でない。しかし1週間の禁欲と強精剤の服用は自分の身体に意外な変化をもたらした。急激に勃起し始めたのだ。顔中がかーっと熱くなる。おやじ2名とオタク学生の他にも買い物帰りのおばちゃんや高校生カップルなども唖然として立ち止まっている。早くしなければギャラリーが増えてしまう。何より逮捕されるような事態だけは困る。
 さらに強く性器を擦りあげた。竿の部分にずしりと芯が入り、ついに隆々と完全に勃起した。そして、監視カメラに向かって両手でピースをつくり、口を開けて呆けたような表情を作った。これで10秒間だ。
「何だよ、あいつピースしてるぞ!」
「変態だよ、変態。」
「110した方がいいんじゃね?」
 さらに増えたギャラリーの囁きが胸に突き刺さる。日常では10秒などほんの一瞬なのだが、このシチュエーションでの10秒は永遠のような長さに感じられた。
「あっ!っくう・・」
 予想外の事態に思わず声が漏れる。強くしごき過ぎたのか、それとも禁欲と強精剤のせいかわからないが、性器の先からカウパー液がたらーっと滴ってきたのだ。しかも相当な量だ。尿道口から溢れ出たそれは怪しく滴る蜜のようだった。
「出てる!出てる!」
「おい、あいつ出すんじゃないか?」
 ギャラリーが再びどよめいた。

 それは異様な光景だった。日常の中の非日常。誰もが行きかう駅前の片隅の駐輪場で、何の前触れもなく全裸男のオナニーショーが開催されているのだ。男は呆けた表情で虚空に向けて両手でピースサインを作り、勃起した性器の先端から液体を滴らせている。優しい悪夢を見ているような、信じがたい光景だ。

 頭の中で10秒のカウントが過ぎた。もう大丈夫だろう。
「すいません!」
 すでにやや遠巻きにできた人だかりを抜けて、小道を目指す。再び暗闇に戻るのだ。来る時には縮んでいた性器も、今では完全に勃起している。走るたびに上下左右に揺れるそれは、設置型のサンドバックが叩いても蹴っても必ず垂直に戻ろうとする様を連想させた。また見方によっては何か棒状の生き物が股間に寄生しているようにも見えた。その生き物は先端を蜜で濡らして光らせており、蛍の発光のように求愛しているようにも見えた。

 帰り道は本当に人通りの少ない道でほっとした。徐々に勃起も治まってきた。遠くに公園の木々が見えてきた。ようやくこの地獄も終わるのだ。公園を指示されたルートで戻り、スタート地点の男子トイレに辿り着いた。幸い誰にも見られていない。一番奥の個室に飛び込む。そして急いで上の棚に手を伸ばし、紙袋を開けた。

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おつかれちゃん。
衣装チェンジしといた。がんばっておうちに帰ってね。
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 そこには競泳パンツが一枚入っていた。これで帰れというのか・・・。再び絶望の淵に突き落とされた。暗闇に季節外れの海水パンツ一枚を身にまとった男が駆け出して行った。

闇夜の指令03

 通りに出た。人通りの少ない小道とは言え、やはり通りを走るのは訳が違う。公園と違って暗闇が少ない。常に灯りに照らされて全裸の男が走っているのだ。呼吸が荒くなる。口の中が乾くのがわかる。性器は心の奥の心細さを反映して、小さく縮こまってしまった。走るたびにぷるぷると揺れる。
 ふと、遠い昔のことを思い出した。中学生の時の修学旅行の夜。一番最後に風呂から出ると自分の服がない。タオルもない。その代わりに一枚、小さな紙切れが置かれていた。
「服はもらった。フルチンで部屋まで来たら返してあげよう。怪盗ルパン」
同じクラスの悪ガキのいたずらだ。心臓がどきんと音を立てた。周囲を見渡した。この小さな脱衣所にはチンコを隠せそうなものは何も見当たらない。とにかく何もないのだ。手で身体についた水を切り、思い切って脱衣所から飛び出した。遠くに女子の声が聞こえる。全身の血の気がさっと引いていき、頭の中がくらくらする。
 そう、あの時の感じだ。遠い昔の感覚が蘇ってくる。あの時は結局数名の女子とすれ違って、悲鳴を浴びつつ何とか部屋まで辿り着いたが、今回は子どものいたずらでは済まないのだ。

 幸いこの小道では誰もすれ違わなかったが、目の前に大きな光と喧騒が迫ってくる。駅前通りだ。行きたくない。でも行くしかない。一刻も早くあの画像を消してもらわなければならない。
 ついに駅前通りに飛び出した。ぱっと見ただけでも何十人もの人の姿が見える。仕事帰りのサラリーマン。ほろ酔いの学生。コンビニ袋を手にしたOL。塾から帰る女子高生。思わず反射的に性器を手で覆いそうになったが、あいつからのメールを思い出す。

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もちろん走ってる時に手でチンコ隠しちゃだめだよ。
立派なチンコしてるんだから見せつけなきゃね。
一瞬でも隠したら鬼拡散して有名人になってもらうからね。
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 バンジージャンプで飛び降りる時もこんな気持ちなのだろうか。さすがにここでは人々の視線から逃げることはできない。
「うぉーー!」
「えっ?」
「何だあれ?」
「うそ!」
「何?何?」
「ストリーキング!」
「撮れ!撮れ!」
「罰ゲームか?」
「がんばれー!」

 四方八方からの人々の声が嫌でも耳に入る。事情もよくわからずに、この全裸マラソンにエールを送ってくれるカップルもいる。チャリティ番組のマラソンのようなものと勘違いしているのかもしれない。
 実態は全く違う。この駅前通りは地獄へと続く道だ。多くの人々の喝采や嬌声を浴びながら、人間としての尊厳を一枚ずつ脱ぎ捨て、僕は堕ちるのだ。握りしめた手は汗でびっしょりだ。夜風が地肌に冷たく纏わりつく。首の後ろにぞくっとしたものを感じた。

 普段は何気なく歩いている街。マッサージ店のネオンやマンガ喫茶の看板、焼き鳥屋からの煙、古びたビルの壁、家路を急ぐ人の群れ。目に見える全てがぐらぐらと歪んで見える。たくさんの服を着た人の林の中を、全裸の男が走り抜ける。この文明社会に突如、原始人がタイムスリップして来たような、奇妙な光景だ。無様なに性器を揺らしながら、男は駅前の人の波に吸い込まれていく。

プロフィール

天使マン【羞恥小説】

Author:天使マン【羞恥小説】
忘年会やパーティでの裸踊り・チンポ芸など大好きな「天使マン」です。いじめられる男、羞恥系M男小説をたまに書いてます。
mail:tensiman19@gmail.com
X:@tensiman1919 

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