2017/01/12
をわりのはぢまり~ある少年の日常~15
妙に晴れやかな気持ちだった。でも気持ちは少し昂ぶっている。朝から心臓の鼓動が落ち着くことはなかった。「明日実行だな。」
佐々木の言葉を思い出す。ついにこの日が来てしまったのだ。
夏休みになれば逃げられると思っていた。しかし僕の考えが甘かったことは、その後すぐに露呈した。むしろ学校というたがが外れて、よりいじりの強度が増したような気さえする。公共のプールでのいたずら、川遊びの件、そして思い出したくもない夏期講習での事件・・・。佐々木達に呼び出される度に訓練と称して気が狂いそうなことを強要された。僕の身体はもう僕のものではなく、佐々木達の所有物であり、佐々木の言葉一つですぐに衣服を脱ぎ捨て、白昼に全裸を晒すことが当たり前となってしまった。しかもそれは逐一ネット上にアップされ、今では1000フォロワーを超えたと佐々木が吹聴していた。
教室に入る。ニヤニヤする佐々木グループが目に入った。
「わかってるだろうな。」
佐々木が目配せした。僕はこくりと頷いた。
普段は見慣れない先生が黒板に「自習」の二文字を書いて消えていった。その文字はまるで死刑宣告のように僕の目に写った。僕はおもむろに教壇に向かった。教壇に立つ。クラス全員の顔が見えた。もちろん女子もいる。にやけているのは佐々木グループで、男子は「またか・・・」というような顔をしていた。女子は殆どがきょとんとした表情だったが、ミユとその周辺は不敵な笑みを浮かべていた。
僕は大きく息を吸い、吐き出した。やるしかない。
「今から一発芸をやります!皆さん、見てください!!」
僕はベルトを弛め、ズボンを脱いだ。女子の「きゃ!」という声が聞こえた。上着を脱ぎ、シャツも脱ぎ、上半身裸になった。目の前がクラクラする。徐々に教室がざわめき出した。そして、最後にパンツを脱ぎ、事前に仕込まれていた通り、遠くに投げ捨てた。
「きゃーーーーー!!」
女子の歓声が響く。この声を聞くのは半ムケ星人のデビュー以来だった。今回は全ムケ星人の登場だ。
「全ムケ星人!ボッキマン!」
「必殺、光速オナニー!」
僕は白昼の教室で、クラス全員が見てみる前でオナニーを始めた。今の僕はすでにこの状況でも勃起するような身体になってしまっていた。赤ら顔の女子、笑顔の男子。みんな僕を見て笑って欲しい。
「フルボッキしたら、教室一周だな。」
佐々木の言葉が頭に蘇ってきた。完全に勃起したところで教壇を降り、大きくなったチンポを振り乱しながら、皆の間を駆け足で回った。教室はもはや半狂乱の状態となっていた。一瞬、満足そうな佐々木の顔が見えた。ミユがスマホ片手にほくそ笑んでいるのも見えた。
僕はもう堪えることができなかった。すべてのものが崩壊してしまう予感。溢れ出る快楽に全てを委ねてしまおう。
「ボッキマン、発射!3、2、1、ゼローーー!」
この日一番の歓声が教室に響き、腹を抱えて笑う佐々木グループが遠くに見えた。
「1週間、抜くなよ。」
佐々木にオナニーを禁止されていたせいか、ものすごい量の精子が止まることなく放物線を描き、教室の床に着地した。まるでビュッビュッと音が聞こえてくるような射精だった。頭の中が真っ白になったが、一つ忘れる訳にはいかないセリフがあった。
「ありがとうございましたーーー!」
射精はおろか、肛門まで僕はクラス全員に晒した。「キモ!」という声とスマホのシャッター音が交錯した。
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