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をわりのはぢまり~ある少年の日常~14

 夏休みが終わり、隣のクラスの会話が聞こえてくる。
 「びっくりしたよ、川でマッパなんだもん。」
 「ふつうにファミリーとかいたしね。」
 「プールでも騒いでたらしいぞ。」
 「公園のはひいたよね。」
 「勃起させてるって・・・。」
 「もうただの変態だよな。」
 「最近もう顔がおかしいよな。」
 「何かトロンとした目してるな、あいつ。」


 「おまえのアカウント作ったぞ!」
 夏休み明け初めての企画会議で、佐々木は意気揚々とスマホの画面を僕に見せつけた。それは恐ろしいものだった。アカウント名は「変態中学生」となっており、夏休み中に何度かメッセージを投稿している形跡があった。「芸人を目指しています。応援してください!(^^)!」などというメッセージと共に、川で全裸になって両腕でガッツポーズを取っている写真が見えた。川遊びの時に無理やりやらされたものだ。また、佐々木の好きな「ありがとうございましたーーー!」と肛門を割り広げる写真もあった。こんなものをネットに載せてしまっているのか。
 「さすがにまずいよ。」
 と佐々木に言ってみたのだが、
 「大丈夫!一応顔は隠してあるっしょ?」
 「チンコは隠してないけど、ははは。」

 と一蹴された。
 「これなんかもいいだろ?」
佐々木が次に見せた画面には「愛してるよーーー(*^_^*)」というメッセージとともに、公園で全裸になって踊っているムービーが映っていた。女子の悲鳴と佐々木達の笑い声が交錯するなか、全裸で勃起させたチンコを揺らしながら踊る少年。紛れもない、僕の姿だった。
 「これ載せたら、一気にフォロワーが増えたよ。ホモばっかりだけど。ははは。」
 一体、僕はどこまで行ってしまうのだろう。佐々木にケツを蹴られ、我慢汁がとろーっと溢れ出したチンコのドアップで画面は静止画となった。

 「ムービー受けた!うちのクラスでもやってー!」
 たまにメッセージを送ってくる他のクラスのゆうたからメッセージがあった。あまりにもたくさんムービーを撮られているので、どの動画なのかわからないが、恥ずかしい動画であることには変わりないだろう。僕は何と返事してよいかわからず、しばらく何も書けなかった。
 「佐々木に聞いたけど、今度の自習でやるんだって!?またムービーよろしく!」
 「ほんとはナマで見たい!」

 そう、先生が研修のため自習になる日が発表された時、僕の運命は決まったのだ。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~13

 夏期講習の最終日。本当なら解放感でいっぱいのはずが、僕は囚人のような気分でいた。最後の講義が終わり、僕は近くの公園へと連行された。佐々木は
 「大事な話しがある」
とスマホを使って彼女を呼び出していた。
 僕は公園のトイレで服を全部脱ぐよう言われ、服を全部没収された。告白するまで返さない、そう告げられた。ただの告白ではない、勃起させての告白だ。トイレの個室の中で勃起させようと必死にチンコをいじったが、なかなか勃たない。
 「早く勃たせろよ!」
ケツに蹴りを入れられ、僕は目を閉じていつもしているように、彼女のことを思い浮かべた。少しずつ芯が入ってきた。本当に僕は全てを見せてしまうのだろうか。そんなことできる訳がない。でも、もう逃げる方法はない。
 意に反して、少しずつ反応してきた。「ついに彼女にこれを見られてしまう!」危機感にも近いような思いが胸に去来した刹那、堰き止めていた何かが崩壊したように、一気に凛凛と勃起した。
 「よし!行くぞ!」
佐々木グループに両手を掴まれて、僕はトイレから外に引っ張られた。
 「キャー!!」
 いつも通りのかわいい彼女が目の前にいる。ここはどこにでもある普通の公園で、周りにはベビーカーをおす母親や、老人が散歩している様子が見えた。僕は全裸になり、しかもチンコを勃起させたままでこの空間に立ち尽くしている。明らかに異常者と思われているだろう。

 僕は全裸と勃起させたチンコを見せつけるように、
 「ずっと好きでした!僕と付き合ってください!」
と叫んだ。「半勃ちになったらやり直し」というルールが課されたため、僕は勃起状態を維持させるため、チンコをいじりながら、告白した。人生で最悪の告白だった。
 「イヤー!!」
 彼女が両手で顔を隠した。真っ赤な顔をしている。
 「求愛のダンスを踊ります!」
事前に佐々木から指示されていた通り、僕は腰を左右に揺らせて独自の踊りを始めた。勃起したチンコが右に左にぐらんぐらんと揺れて、まるで風に晒される樹木のようだった。
 「ムリー!!」
 彼女が逃げ出した。佐々木グループが笑いながら、スマホで僕を撮っている。ついに僕はとんでもないことをしてしまった。遠くから老人が怪訝な様子でこちらを見ている。突然、佐々木が
 「おつかれちゃん!」
と言って僕のケツを蹴りあげた。
 その瞬間、チンコの先から透明な液体がたらーっと溢れ出し、さらなる笑いを誘うのだった。放り投げられた服を着ながら、僕の足には見えない足枷が着けられているように感じた。恐らく、二度とはずせない。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~12

 郊外の大きな川に自転車で向かった。周囲には、楽しそうにはしゃぐ少年の集団にしか見えないだろう。しかし僕の気持ちは暗澹たるものだった。佐々木だけが妙に高いテンションでまくし立てている。これから僕に何かをやらせたくて、相当興奮しているのだろう。

  「おまえ、マッパな!」
 佐々木の一言は衝撃的だった。遠くにはバーベキューをしている団体や、家族連れも見える。全裸でいればすぐにばれてしまう状態だ。
  「それはムリだよ・・・。」
僕は呟いたが、聞き入れられるはずもなく、
  「じゃあ、手伝ってやるよ。」
という佐々木の言葉で、後ろから羽交い絞めにされ、強引にズボンとパンツを引きずりおろされ、上半身も裸にされて、僕は全裸で放り出された。
 青い空が眩しい。佐々木達は皆水着を着ているのに、僕一人が全裸だった。遠くの人達にはただの悪ふざけとしか見えていないのだろう、笑ってスマホを向けているのが見える。
 「チンコを隠したら罰ゲーム」というルールが勝手に設けられ、僕は恐らく見知らぬ人に何枚も写真を撮られてしまっているのだろう。もちろん、佐々木達にも浴びせられる程に写真や動画を撮られまくった。
 遠くから女子の集団が近づいてくるのが見えた。やばいと感じて思わず右手を股間に持っていった時、佐々木の
  「ハイ、罰ゲーム決定ー!」
の声が聞こえた。その後、罰ゲームの内容が佐々木から発表されたのだが、僕にとっては悪夢でしかなかった。
 それは夏期講習の最終日に、好きだった女子に告白しろという命令だった。しかもただの告白ではない。全裸で勃起させた状態で告白しろという無茶な要求だった。佐々木は僕が送った塾のスケジュールで、僕の通っている塾を知り、そこにあの女子がいることを突き止めたのだった。今では違う学校だが、塾で顔を合わせるのに、そんな格好を見せられる訳がない。途方にくれる僕に、佐々木は淡々と計画を発表していた。

 僕は思い出していた。小学校の時、放課後の教室。誰もいない。目の前には彼女の机がある。机の横に彼女のリコーダーがかけてあるのが見えた。再度辺りを見回したが、誰もいない。人の来る気配もない。僕はすばやくケースからリコーダーを出し、自分の口に運んだ。これが、彼女がいつも口をつけているリコーダーで、僕も同じ部分に口をつけている、彼女の味や匂いが全部ここに凝縮されている。僕は彼女と一つになった、そう感じた瞬間、
  「おまえ、何やってんの?」
という佐々木の声で我に返り、ぎょっとしたのだ。佐々木は忘れ物を取りに教室に入ったところ、笛を咥えている僕の姿を目にした。
  「おねがい!誰にも言わないで!」
僕は土下座をして佐々木に頼み込んだ。そして、佐々木はそれに応じてくれた。しかしそれは時限爆弾のように爆発を未来へ先送りしただけで、むしろ加速度的に被害が増しているのではないか。そう思わざるを得なかった。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~11

 翌日ネットの世界の片隅で、ある複数の写真が話題になっていた。その写真は一見プールで遊ぶ普通の中学生らしき少年達の写真なのだが、よく見ると、そのうちの一人の少年の水着が異様なのだ。他の4、5人の少年はいわゆるサーフパンツを履いているのに、一人の少年だけピンク色のかなり際どいTバックなのだ。後ろからみるとほぼ全裸にしか見えない。前からのショットでは水着が小さすぎて、はみ出す陰毛を隠しきれていない。また意図的なものなのか、偶然なのか、玉の部分がはみ出してしまっていた。
 「ツワモノ現る!」
 そんなコメントとともにその数枚の写真は繰り返し投稿されているようだった。

 僕は夏期講習に集中することにした。プールでは佐々木達が持参してきたピンク色の水着とは言えないような布きれを履かされ、ちん毛や金玉をはみ出したままプールサイドを歩かされ、最後は監視員につまみ出された。佐々木達はゲラゲラ笑っているだけだった。最悪だった。プールは撮影禁止にも関わらず、何人にスマホを向けられたので、もしかしたら撮られてしまったかもしれない。
 夏期講習に僕が集中したいのにはもう一つ理由があった。小学校の時に好きだった女の子が同じ塾の夏期講習に来ているからだ。僕は彼女のことが本当に好きだった。もっとも過大な好意が僕を暴走させ、佐々木に秘密を握られることになってしまうのだが。

 「明日は川遊びの日だぞ。」
前回のプールの後に佐々木から次回は川遊びを約束させられていたのだが、明日は夏期講習が入っている。佐々木に夏期講習のため行けないと伝えると、夏期講習のスケジュールを送ってくれとの返信があった。僕は写真で塾のカレンダーを送った。
 「じゃあ、空いてるこの日なら行くよな?」
 僕は断る理由を失ってしまった。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~10

 翌日、僕は学校を休んだ。ベッドに横たわり目を閉じているだけで、教室の床に飛び散った精子がフラッシュバックした。あれは現実に起きたことだったのだろうか。もしかしたら夢を見ていただけなのではないか。そんな思いだけが頭の中で堂々巡りしていた。佐々木達の笑い声も耳鳴りのようにずっと聞こえ続けている。ふと気づくと勃起していた。何故だろう。自分でもよく理由がわからなかった。

 ボッキマンの発射は佐々木に大きな達成感を与えたのか、あれから何度か芸はさせられたが、女子の前で何かをさせられることはなかった。僕は夏休みに逃げることができた。これで僕は「芸人」から離れることができる。僕はひたすら安堵していた。

 プールに入るための道具を持った男子が、自転車に乗りながら楽しそうに話している。
  「結局、あいつオナニーさせなかったね?」
  「佐々木は
「熟成期間が必要」とか、わけわかんない奴だよ。」
  「相当なSだよな。」
  「今じゃケツ出しなんか普通になってるもんな。」
  「夏休みに特訓するっつってたよ。」
  「コワ!」


 夏期講習へ向かう僕にスマホのメッセージを知らせたのは、何か不吉な予感のようなものだった。スマホ画面を見てその後、しばらく立ち尽くしてしまった。
  「明日プール行こうぜ!」
 佐々木からだった。明日はちょうど夏季講習も中休みで予定はなかったのだが、佐々木からの誘いがただの楽しい水遊びだとは思えない。次いで、すぐに写真が送られてきた。ボッキマンの決めポーズの写真だった。僕は逃げられないことを悟った。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~09

通称「企画会議」で僕は思い切って聞いてみることにした。
 「光速オナニー、・・・誰が見たのかな?」
 「もう全員見てるんじゃね?学年全員。」
僕は全身の血の気が引くのを感じた。思わずその場にひざまずいた。
 「大丈夫、メッチャ受けてるから。女子も大喜びだぞ。」
 佐々木は悪びれることなく、新しい提案をしてきた。
 「そこで、だ。夏休みに入る前にお披露目しよう。」
 「もう今さら恥ずかしがっても意味ないしな。」
 「早速練習しとこ。」
 「もう、嫌だよ!やりたくないよ!」
 僕は佐々木に懇願した。
 「だからー。今さら遅いって。もしやらないんだったら、おまえの秘密ばらす。」
 「あと、ネットに今までの一発芸全部アップする。」
 「なあ、どうする?」


数分後、僕は全裸になり、あの時と同じように
 「全ムケ星人!ボッキマン!」
 「必殺、光速オナニー!」

と叫んでいた。誰かがスマホでエロ画像を開いて見せている。僕は右手で、チンコを握りしめ、しごき始めた。
 我慢しても涙がこぼれてきた。
 「おい、嬉し泣きか?」
佐々木が傷口に塩を塗りこむように囁く。そんな状況で僕のチンポは勃起せず、小さなままだった。
 「全然勃たねえじゃん。」
 「刺激するか・・・。」
どこからか持ち出してきたのか、書道で使う筆が複数あり、佐々木グループが手分けして僕を筆でいじり始めた。首筋や乳首、背中、チンコ・・・あらゆるところを柔らかな感触が這いずり回った。段々と僕の思考回路が停止し、徐々にチンコが膨らんできた。
 「感じてきたぞ!」
いつも自宅でやっている感覚。右手を動かしながら、僕の中で終わりが近づいてきているのを感じた。そして、早く終わってしまえばいいと思った。
 「勝手にいくなよ!行く時はアレ言えよ!」
もうどうなってもいい。僕は目先の快感に抗うことができないただの変態だ。
 「ボッキマン、発射!3、2、1、ゼローーー!」
左手を上に挙げ、僕は勢いよく射精した。白濁した液が虚空に円を描き、床に飛び散った。
 「ついにいったぞ!」
 「学校でオナニーしちゃったよ。」
 「レジェンドだな。」

佐々木グループは大喜びだった。
 「おい、最後のアレは?」
佐々木に突っつかれて、僕は呼吸も荒いまま、勃起したチンコの先から垂れている汁を拭う間もなく、後ろを向き、ケツを思い切りわり広げ、
 「ありがとうございましたーーー!」
と叫んだ。頭の中で、ドラム缶を叩いたような音がずっと鳴り響いていて、聞こえるはずの佐々木達の嘲笑う声や下卑な野次もしばらくの間、聞こえなかった。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~08

翌日、隣の教室は異様な騒がしさだった。
 「とうとうオナニーしてたべ?」
 「必殺、光速オナニー!な。」
 「女子にもまわってるらしいね。」
 「1組は全員のグループにまわったらしいよ。」
 「佐々木もエグいな。」
 「今度やる時見に行こうぜ。」
 「夏休み前にやるかな?」


部屋で一人、佇んでいた。このまま夏休みになってしまえばいい。この緩やかな強制から逃れられる。心からそう思わずにはいられなかった。
突然、部屋の片隅に置きっぱなしだったスマホが震えた。それは他のクラスの友人からのメッセージだった。
「おまえ、すごいな!メッチャ受けたぞ。」
「今度教室でオナニーするんだって?うちのクラスでもやってくれよ。」
「女子が見たがってるぞ。」

僕はスマホを片手に握りながら、立ち尽くした。僕の動画はどこまで広がってしまったのか。「教室でオナニー」という言葉が頭から離れない。僕の知らないところでどんな計画が持ち上がっているのか。
教室でオナニーするということ。それは男子はおろか女子生徒の前でもオナニーするということとイコールだ。佐々木達の前でやらせらるのはまだしも、まさか白昼の教室でやらされるのだろうか。
いつもこの部屋でこっそり行う秘密の儀式。家族が寝静まった頃、誰にも知られることのないはずの時間。頭の中に特定の女子を描いて、チンコを刺激するのだ。少しずつ膨張してきたそれは、やがて風船のように膨らんだ亀頭の先の割れ目から勢いよく白濁した汁を放出する。
誰にも見せるはずのないその行為が、佐々木の手によって白日のもとに曝け出されようとしている。明日は火曜日だ。思い切って佐々木に聞いてみるしかない。不安を噛み殺しながら眠りについた。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~07

放課後、空き教室での召集は「企画会議」と称されるようになり、毎週火曜日に僕は自らそこへ足を運ぶようになっていた。
 「半ムケ星人もいいんだけどさぁ・・・もっとパンチ欲しくない?」
 佐々木は何やら不満そうである。クラス全員の前でチンコを揺らしながら唄を歌っても、まだ物足りないと言うのだろうか。
 「そうだな。チンコ出すなら誰でもできるしな。」
 佐々木グループのメンバーも同調した。
 「半ムケ星人が変身したらどうだ?」
 「全ムケ星人?」
 「全ムケ星人ボッキマンは?」

 「それだ!それやろうぜ。」
 僕には理解できなかった。「ボッキマン?」まさか、勃起させろと言うのだろうか。

 十分後、僕は空き教室で全裸でポーズを取らされていた。スマホでエロ動画を見せられ、勃起状態を維持しながら、
 「全ムケ星人!ボッキマン!」
 「必殺、光速オナニー!」

と叫びながら、チンコをしごくのだ。始めは下半身のみ裸だったのが、「パンチがない」の佐々木の一言で、上半身も含めた全裸がボッキマンの正装になった。佐々木達は大爆笑していた。僕は恥ずかしくて悔しいはずなのに、何故か固く勃起してしまっていた。自分でも理解できなかった。
 「芸人通り越して、変態だよ!」
 「これは撮るしかないだろ!」
僕は正義の味方のようなボッキマンの決めポーズを取らされ、勃起させたままの姿をスマホに撮られたのだった。
 「こっちはムービーで。」
必殺技の光速オナニーは動画で撮影された。

 自宅でくつろいでいたミユがふとスマホに目をやると、佐々木からのメッセージが届いてた。
「ついにここまできたぞー!」
というコメントの後に全裸であそこを勃起させながら妙なポーズを取る男子生徒が写っていた。さらにその後には全裸のままあそこをいじる男子が動画で送られてきた。
 「変態w」
 「グロすぎ」
 「これって続きあるの?」

立て続けにメッセージを送った。
 「続きって?」
すぐに佐々木から返答があった。
 「出すとこw」
ミユは見てみたかったのだ。男子の射精する瞬間を。佐々木からの返信は早かった。
 「まだとってない。でもすぐとるよ。お楽しみに!」

をわりのはぢまり~ある少年の日常~06

 翌日、隣の教室はいつもより騒がしく思えた。
 「昨日また動画来たねー。」
 「ぞうさんな。」
 「いじめくさくね?」
 「佐々木はいじりだって。」
 「今度教室でやらせるらしいよ。」
 「見に行くか、はは。」


 「ぞーーさん、ぞーーっさん、おーーはながながいのねーー・・・。」
僕は今、目の前にあるのが現実かどうかわからない。夢なのかもしれない。クラス全員の顔が目の前にある。殆どが大笑いしたり、手を叩いたりしていている。でも何故か、数人の女子は顔を伏せたり、手で顔を覆っている。僕は教壇の上で、下半身裸になって腰を上下左右に振りながら、ぞうさんの唄を歌っている。先生はいなくて、黒板には「自習」の文字があった。何故か時間がゆっくり流れているように感じる。スローモーションで、僕のチンコはブラブラ揺れている。太ももに「半ムケ星人」「デビュー!」と書いてあるのが見える。僕は羞恥を感じる人間の世界を突き抜けて、何か別な世界に迷い込んでしまったのかもしれない。何も感じることもなく、佐々木に言われたままに人形のように動いていた。
歌い終わった僕は、後ろを向き、肛門が見えるようにケツを左右の手で開き、
「ありがとうございましたーーー!」
と叫んだ。大人のいない教室で、残酷に男子の歓声と女子の悲鳴がこだました。
 
 家に帰り、泣いた。恥ずかしさはなくなったはずなのに、涙が出るのは何故だろう。太ももにはまだ「半ムケ星人」「デビュー!」の刻印がある。僕はどこまで行ってしまうのだろうか。まさか教室でクラス全員の前でやらされるとは思っていなかった。タイミング悪く自習の時間がまわってきたのが、運の尽きだった。僕はクラスの女子全員にも見られてしまった。もう、今さら隠しても仕方がない。もう、壊れてしまえばいい。

佐々木はケツを広げながらの「ありがとうございましたーーー!」が気に入ったようで、時折、何の脈絡もなく振ってきた。体育の終わったあとの用具室で、廊下の片隅で、先生がふと印刷に出た隙をついた教室で、道端で、1年生のいる前で。その度に自分でも見たことのない肛門を外気に晒すのだった。
チンコを晒したのは半ムケ星人のデビュー以来、更衣室で一度だけ男子の前でやらされただけだったので、そこまで佐々木ははまらなかったのかもしれない。しかし、それは僕の間違いだった。

をわりのはぢまり~ある少年の日常~05

翌日の放課後、空き教室には佐々木グループと数人の女子がいた。
 「おまえ、良かったな!女子にも人気者だぞ!」
 青ざめた僕にはお構いなく、佐々木は興奮した様子でまくし立てている。
 「女子達もおまえの芸人デビューを応援してくれるってよ。」
 佐々木が昨日画像を送った女子、ミユもそこにはいた。
 「ねえ、半ムケ星人!こんな感じだよ。」
画像の顔は隠してあったはずなのに、何故ミユに僕の正体がばれているのか。理由はわからないが、ミユは自分のスマホ画面を僕に見せた。上にはグループ名が「2組女子(28)」とあり、その下に僕のみじめな画像が貼りついていた。画像の横には小さく「既読27」の文字があり、続いて「爆笑」「チXコ初めてみた!」「グロ!」「これ○○君でしょ?」「弟のよりでかいかも」「チン毛はえてる」「半ムケって何?」様々なコメントが続いていた。クラスの女子全員が僕の全てを見たことになる。僕は茫然となり、何もしゃべることができなかった。
 「女子もまだ見たことない子もいるから、見せてあげたら?受けるし。」
 ミユはとんでもないことを言い始めた。女子の前でチンコを見せるなどできるわけない。
「顔隠してても髪型とかでわかるよね?この修正、意味ないよねー。」
「もうクラス全員見たんだから、大丈夫だよ。」

 残酷なミユに続いて佐々木達も非常な宣告をした。
 「ついに半ムケ星人も教室デビューだな。」
 「メッチャ受けるぞ!」
 「女子のみなさーん、保健体育の時間でーす!」

 僕は何も言えず何もできず、その場に立ち尽くしていた。
 「大丈夫、おまえならできるよ!」
 「とりあえず、予行練習な!」


 僕はこの日のことを一生忘れないだろう。女子に自分のチンコを初めて見せた日のことを。しかも笑顔の女子達の眼前でズボンとパンツを降ろし、腰を左右に大きく揺らしながらぞうさんを熱唱した日のことを。涙がこぼれそうだった。落書きこそ免れたが、複数のスマホで僕の醜態は余すところなく記録された。恥ずかしさで死にそうになっている僕をよそ目に、佐々木やミユはゲラゲラ笑い転げていた。

プロフィール

天使マン【羞恥小説】

Author:天使マン【羞恥小説】
忘年会やパーティでの裸踊り・チンポ芸など大好きな「天使マン」です。いじめられる男、羞恥系M男小説をたまに書いてます。
mail:tensiman19@gmail.com
X:@tensiman1919 

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