2017/01/04
をわりのはぢまり~ある少年の日常~10
翌日、僕は学校を休んだ。ベッドに横たわり目を閉じているだけで、教室の床に飛び散った精子がフラッシュバックした。あれは現実に起きたことだったのだろうか。もしかしたら夢を見ていただけなのではないか。そんな思いだけが頭の中で堂々巡りしていた。佐々木達の笑い声も耳鳴りのようにずっと聞こえ続けている。ふと気づくと勃起していた。何故だろう。自分でもよく理由がわからなかった。ボッキマンの発射は佐々木に大きな達成感を与えたのか、あれから何度か芸はさせられたが、女子の前で何かをさせられることはなかった。僕は夏休みに逃げることができた。これで僕は「芸人」から離れることができる。僕はひたすら安堵していた。
プールに入るための道具を持った男子が、自転車に乗りながら楽しそうに話している。
「結局、あいつオナニーさせなかったね?」
「佐々木は「熟成期間が必要」とか、わけわかんない奴だよ。」
「相当なSだよな。」
「今じゃケツ出しなんか普通になってるもんな。」
「夏休みに特訓するっつってたよ。」
「コワ!」
夏期講習へ向かう僕にスマホのメッセージを知らせたのは、何か不吉な予感のようなものだった。スマホ画面を見てその後、しばらく立ち尽くしてしまった。
「明日プール行こうぜ!」
佐々木からだった。明日はちょうど夏季講習も中休みで予定はなかったのだが、佐々木からの誘いがただの楽しい水遊びだとは思えない。次いで、すぐに写真が送られてきた。ボッキマンの決めポーズの写真だった。僕は逃げられないことを悟った。
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