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闇夜の指令01

 夜の深い闇。昼間は秋晴れの続く十月だが、夜はめっきり涼しくなってきた。夜の闇は人を興奮させる。ベンチに腰かけた若いカップルが談笑している。ふと、カップルの前を白いものが横切った。
「えっ?今の裸?」
 女の声に連れの男が反応する前に、その白い何かはもう消えていた。

 僕は公園を走っている。一人でひたむきに走る。しかしストレス解消のジョギングや体力作りのために優雅に走っているわけではない。その証拠に靴とアンクルソックス以外のものは何も身につけていない。僕は全裸で走っているのだ。
もちろん、僕は露出狂ではないから全裸で外を走ったことなどあるわけがない。服を着ていない状態がこんなに心細いものだとは知らなかった。心臓が破裂しそうなのは、走っているせいなのか、この極限状態に異様な興奮を覚えているせいなのかわからない。アドレナリンが放出されているのか、手の先が凍っているかのように冷たい。
遠目にベンチに座ったカップルが見える。しかし逃げるわけにはいかない。とにかく全速力で走り抜けるしかない。僕の走るルートは決められているのだ。

 スタート地点は自然の杜公園南側の東屋近くにあるトイレだ。男子トイレの一番奥の個室で全裸になり、衣服を全て脱いで紙袋に入れ、上の棚のような部分に置いておく。そしてトイレから全裸で飛び出して、公園を一周するように走った後、公園を出て通りに出て・・・それ以降のことはあまり考えたくない。そんなことが本当にできるのだろうか。その前に気絶してしまうのではないだろうか。

 何故こんなことをする破目になっているのか。原因は一ヵ月前に遡る。
「カッコいい!腹筋見せて!」
 匿名のSNSで若い女の子に乗せられ、スマホで裸を自撮りして送った。やがて何度かやり取りしている中で、性器丸出しの顔出し画像や肛門を開いた写真なども送ってしまった。久々に若い子にちやほやされ浮ついていたのだ。そして、全裸で自慰し射精した動画を送ったところで、急に連絡は途絶えた。
 どうしたのだろう、凍結でもされてしまったのかと思っていた矢先、職場のメールアドレスに自分の全裸画像が送られてきたのだ。デスクトップPCに広がる肛門の写真を見た瞬間、血の気が引いた。慌てて画像を閉じたが、自分は取り返しのつかないことをしてしまったと悟った。背後の席の後輩には見られなかっただろうか。職場がばれているということは、いつこのメールが上司や同僚に送られても不思議はないのだ。目的は何だろう。金だろうか。いくら要求してくるのだろうか。

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突然の訪問、失礼いたします。
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天使マン【羞恥小説】

Author:天使マン【羞恥小説】
忘年会やパーティでの裸踊り・チンポ芸など大好きな「天使マン」です。いじめられる男、羞恥系M男小説をたまに書いてます。
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