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いぢめの記憶 -02-

 何事もなかったように午後の授業が始まった。僕はまだ信じられないでいた。あのしゅうじが白昼の廊下であんなことをするなんて。一体何が起こったのだろう。あのグループと何があったのだろう。
 あのグループは別な小学校からの合流組で、最初からあまり評判が良くなかった。小学校ではいじめられっ子を不登校にさせたり、他にもえげつないことをさせてたとかてっちゃんが教えてくれた。そもそも評判を聞く前に、あの独特の近寄りがたい雰囲気で何となくはわかっていた。誰もが極力近づかないようにしよう、と思われていた連中だった。
 しゅうじは大丈夫だろうか。女にもてはしたがもともとシャイな奴で、女と話す時はいつも顔を赤くして目を逸らしているような奴だった。そんな奴が女子もいる廊下で全裸になった挙句、自らチンコの皮まで剥くなんて・・・。
 数学の先生の説明は全く頭に入って来なかった。しゅうじの置かれた状況を想像するだけで、胸がどきどきしてくる。そしてしゅうじのぷりんとしたあそこと生えかけの陰毛をなぜか思い出していた。

 それからしばらくは何も起こらなかった。もしかしてあれはただの偶発的な事故で、何かの間違いだったのかもしれないと思い始めていた。ただ、一度昼休みにしゅうじのクラスの横を通った時に不思議なのものが見えたことがあった。教室の後方でカーテンが風になびいていて、その向こうのベランダに肌色のものが一瞬見えた。人間のお尻のようにも見えたがほんの一瞬だからよくわからなかった。まさか裸の人間がいるとは思えなかったし、そんなことはないと信じたかったのかもしれない。僕はその日の放課後、帰り際にてっちゃんを捕まえてさりげなく聞いてみた。
 
 「おまえが思ってる以上にあいつやばい状況だぞ。」
 誰も使っていない空き教室。珍しく神妙な顔をしたてっちゃんが僕にケータイの画面を見せた。
 「ほら、これ・・・。」
 そこには信じられないものが映っていた。画面いっぱいに裸の尻が見える。中腰になって肛門を見せつけるように片手で尻たぶを思い切り手繰り寄せている。もう片方の手でピースサインを作り、顔が映るようにこちらを振り向いている。その表情は泣きそうにも見え、見方によっては喜んでいるようにも見えた。
 僕は言葉を失った。
 「あいつ、毎日昼休みに裸にさせられてるらしいぜ。」
 てっちゃんが別な写真を表示させる。
 ベランダと思われる場所。一切の衣服を身につけない完全な全裸の状態のしゅうじが映っている。両手でピースを作り、足はがに股だ。そして恐らく作らされているのだろうが満面の笑みを浮かべている。その中でも特に異様なのが、性器だった。写真で見てもわかるくらい痛い位に勃起し、上向きになっているのだ。まさか、興奮しているのだろうか。しゅうじはそんな変な奴じゃないはずだ。
 「しゅうじ・・・。」
 僕は戸惑っていた。僕の知っているしゅうじとケータイの画面の中のしゅうじ。それは全く一致しないばかりか、ケータイの中のしゅうじは否応なく変態の道を歩かされているように見えた。しかしその顔は僕の知っている、シャイで優しいしゅうじなのだ。
 「また何かわかったら教えてやるよ。」
てっちゃんが、ぽんっと僕の肩を叩いて教室から出て行った。誰もいない教室で、僕はしばらく動けないでいた。

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天使マン【羞恥小説】

Author:天使マン【羞恥小説】
忘年会やパーティでの裸踊り・チンポ芸など大好きな「天使マン」です。いじめられる男、羞恥系M男小説をたまに書いてます。
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